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2012年8月 8日 (水)

夏休み、おやこ美術館訪問レポート;東京都美術館

夏休み、普段はお出かけできない、遠くの美術館へ。
上野まで足をのばして、はるばるオランダからやってきたフェルメールに会いに、3人のこどもたちと行ってきました。

東京都美術館、マウリッツハイス美術館展、開幕当初から「混んでるよー!!」の声があちこちから聞こえてきていたので、開館直後を目指してお出かけしてまいりました。
「真珠の耳飾りの少女」、たいへんな人気のようで、7月下旬の晴れたある日、9:30開館をめざしながら途中いろいろとありまして、10時ちょっと前についたものの、30分待ちの行列に並びました。ちなみに、チケットを持っている人で30分、チケットをお求めになる方は、先にチケット売り場に並んでからこちらの列に並ぶようになります。
我が家はこの日、東京都美術館、国立西洋美術館、国立科学博物館の3つの展示と、こどもたちの猛烈なアピールで上野動物園にも行く予定だったので、あらかじめWEBで購入していた東京都美術館のチケット以外は、上野駅のチケットセンターで当日券を求めました。混んでいる美術展はとくに、事前に買っておく以外の方法としては、美術館に行ってから買うよりも、上野駅のチケットセンターに並ぶ方が早くにことが済みます。

さて、私たちはWSでは通常、このように入場までに時間がかかる美術展への訪問は、あまりおすすめをしていません。待っている間にこどもが飽きてしまって、いざ中に入ったけれどもイモ洗いでこどもと駆け抜けて終わった、なんてお話を耳にすることも多いです。けれども、美術館体験を何度も重ねていて、慣れているこどもとだったら、チャレンジしてみるもの、ひとつの方法、と思います。それだけ多くの人が観たい逸品に触れるという体験も、すばらしい体験です。
我が家、8歳、4歳、2歳のこどもたちと一緒でしたので、この日はさすがにパパの力も借りてのお出かけでした。

30分の入場待ちの間は、美術館内では持ち帰り用の小冊子が置いてあったり、パネルがあったり、ビデオが流れていたりと、ポイントポイントで飽きさせない工夫をしてくださっていました。それをフルに活用して、こどもたちとおしゃべりしながら過ごしました。チラシを見せて絵を探そうと提案したり、小冊子にあた館内図でまわる道筋を指でなぞってみたり、それから行きの電車でもここでも大活躍してくれていたのが、絵本『ミッフィーとフェルメールさん』(美術出版社)。絵本をみながら楽しく、入場を待つことができました。

夏休み期間中、なんとも素晴らしい企画がありました!!
こどもたちが、絵の前でおえかきできるのですよ!!
4歳以上のこどもに磁気でおえかきする、おえかきボードを貸し出してくださり、指定されている4つの絵の前でおえかきをすることができるのです!!
(無料です!)
こんな素敵な↓専用のキッズガイドもいただけます。
東京都美術館 キッズガイド
4歳の娘がうきうきと体験しました。
8歳の息子の方は、テレなのか「ぼくはいいよ」とつれない返事、そんなお年頃でしょうか。

私たちNPOの顧問をしていただいている、白鴎大学の有馬知江美先生も、模写がこどもの心を養うことを説いていらっしゃいます。
海外では、展示室の中でこどもたちが寝転んで模写している風景をよく見かけますが、日本ではあまりなじみのないことではないでしょうか。
こどもが展示室内で筆記用具など持とうものなら、ピリリと緊張の糸があちこちに張り巡らされるのを肌で感じられると思います。それもそのはず、その鉛筆で作品にかいてしまったら、不測の事態がおきて作品が傷ついてしまったら、美術館さんはもちろん、親だって気が気じゃないはず。
けれども、自由におえかきしながら絵と向き合えたら、きっとすてきな発見がいくつもあるだろうな…という気も、きっとしているはず。

それをかなえてくださったのが、この企画です!
4歳の娘、嬉々としておえかきボードを手に、さっそうと絵の前へ。
絵にかいてあるのと同じようにうつしとるかと思っていたら、なんとなんと。
もっとずっと自由に、絵の中と手元を行き来しながら、おえかきを楽しんでいました。
ひとつの絵の前では、絵の中にストーリーを見出し、そこから一部を切り出して、その続編のおえかきをしていましたし、別の絵の前では、メインになるかたちをうつしたと思ったら、そこに自由に自分の好きなものを付け加えて描いていく。
見ているこちらも面白くて仕方ありませんでした。
ああ、そんなふうに観ているんだ、そんなふうに感じるんだ、こどもの新たな一面を(しかもこちらの想像などかるがると越えた!)たくさん発見する、とてもすてきな体験でした。

夏休み、上野に行かれるご予定がある方、おでかけ候補のひとつに加えてみてはいかがですか?
とーっても、面白かったですよ!!

娘とゆっくり鑑賞していたので、残りのふたりとパパは、さっさと鑑賞を済ませて先に休んでいました。
どの絵が印象に残ったか聞いてみると、こどもたち全員が「真珠の耳飾りの少女」でした。
以来、たとえば本屋さんでこの絵のポスターなどみかけると、「美術館にいたね」なんて、声をかけてくれています。ちなみに2歳児は「ミッフィーのともだちのおんなのこ」だと思っているようで、絵本の印象も大きかったかな?「おうちにいるね、このこの本ね」とまじまじと見入っています。

余談ながら、2歳児がこの日動物園よりもなによりも一番喜んだのは、国立西洋美術館の『ベルリン国立美術館展』でした。
なぜかというと…彼は今自分がスーパーヒーローだと思い込むほどスーパーヒーローに凝っているのですが、展覧会で「ほんもののスーパーヒーロー!」を見つけてしまったからなのです。
竜を退治する聖ゲオルギウスが、彼の目にはそう映ったようなのですね(笑)。
たしかに「ほんもののスーパーヒーロー」です、なかなかお目が高いわねーなんて言いながら、きらきらと輝く瞳でその彫刻の前に、なんどもなんども戻る2歳児とお話しながら、名残惜しんで帰ってきました。

夏休み、みなさんもどうぞ、親子ですてきな美術館体験を、増やされてくださいね!

うじかわこずえ
(NPO はじめまして、美術館。代表/アートナビゲーター・ワークショップデザイナー)

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コメント

なんと、ご家族でご来館くださっていたのですね。気づくのが遅くてすみません。「見る⇔描く」こどもプログラムのおえかきボードの導入は、今回初めてやってみました。夏休み中に約4000人の子どもたちが参加し、概ね好評です。次回のメトロポリタン美術館展でもできないか思案中です。ぜひまたお子さんと遊びにいらしてください。

投稿: sawako | 2012年9月15日 (土) 18時47分

sawakoさんありがとうございます!ご挨拶に伺えずごめんなさい。
おえかきボード、とっても楽しかったです!!こちらの予想を超えて、こどもが作品とつながっていくのが、とても興味深かったです。
なんと、またチャンスがあるかもとのこと!ぜひぜひ、またお伺いします~!ありがとうございました。

投稿: ujikawa | 2012年9月19日 (水) 23時48分

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