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October 2010

October 29, 2010

本を読み

本を読みました。
先日神社におまいりする機会があってご神気をわけていただき、その帰りに美術館にも寄ることができたので、活字が少しの時間なら読めるくらいに回復した、というのがちょっと。
にっちもさっちもいかなくなって、読まざるを得なくなったのがちょっと。

読んだ本1:『発達障害と家族支援』
 帯に「家族にとって障害の「受容」とはどういうことか」と書いてあったのにひかれた。
読んだ本2:『光とともに…』 (文庫版では4巻まで出ている、コミックは15巻あるらしい)
 知っていたけれど、今まで、見てみぬふりをしてきた本。自閉症児とその家族のマンガ。

両方を読んで、ああ、今まで自分はずっと、「見てみぬふり」を続けてきたなあ、と思った。
そうなんだよなあ、1歳半検診で、ひっかかったもの。
こちらはまるでわからないのに気に入らないことがあると頭を床や壁にがんがん打ちつけていて、危なくて困ってたもの。
笑わなかったもの、あんまり。
笑うと、思わず実家に電話してたもの、今日はる笑ったんだよーって。
仏頂面で愛想がないのを、私たちは男はそんくらいがちょうどいいとか言ってた。
でもきっと、他の子たちは違っていたんだね。
爪切ったり髪を洗うたびに金切り声もあげないんだよね。
まわりのママ友たちが自然に子どもに愛情を注いでいるのを見て、いつも不思議でしょうがなかった。
なんでそんなに猫っ可愛がりしてるの?そこまでかわいいの?私がおかしいのかな?って。
かわいい、というよりも、おもしろい、だった。感覚的に。
自然な愛情の表出なんて正直なかった。
なんでそんなことするのかな、へんなの、おもしろいな。
そういうのも母性ってものなのかと思ってた。
子ども好きなはずなのに、なんで自分は…って、考えた。幾夜も。

そうだよね、違っていた。
グループ、通っていたもの。今も通っているもの。
私がずっとずっと認めてこなかっただけで、彼は、最初からずっと、この障害とともに在ったんだなあ。
よく考えたら普通の子は、「療」育は必要ないんだもんね。
ただ子育ての仕方を教えてくれるところくらいのあっさりした感覚で通っていた、もしかしたら半ば気づいていたけれども見て見ぬふりをして耳をふさいで、通っていた。
臨床心理士の方に発達検査の結果、こだわりが強いというのは自閉症の可能性があるかもと言われて憤慨したこともあった。
療育グループに通うようになって、めきめき成長した。
言葉が少し出た。
怖がっていた遊具や砂場や平均台も、一年が過ぎる頃には少しやれるようになっていた。
でも相変わらず、お友達とはうまく関われなかったから、公園は私には辛かった。
お友達の家に行くのも抵抗を感じてしまう。いまだに。

年少から幼稚園に通うことは療育グループの先生に止められた。もう一年療育グループで過ごすか、あるいは障害児の受け入れをしている施設に行ってはどうかと勧められた。
けれども私たちは幼稚園に入れたかった。
難しい話でも、はるのためをよくよく考えたわけでもない、近いから。
発達検査をして、当然のことながら発達に遅れがあった。
けれども「強引だけど行かせちゃったら?彼にはそれを受け止める力があると思う。立場上私がそう言ったとはいえないからオフレコだけど」と言ってくださって、後押ししてくださったのは、最初に自閉症の傾向を示唆してくれた、あの心理士さんだった。
幼稚園側に話に行ったところ、とても親身に話を聞いてくださり、入園が決まった。

幼稚園に行けた。
そこからの成長は、本当にめざましかった。
お友達を叩いたり噛みついたりするのが減った。
お風呂が怖くなくなって、髪を洗う時に絶叫しなくなった。
苦手な食べ物もひとくちだけでも食べてみることができるようになった。
自分の気持ちを伝えることが少しずつできてきた。
話だって、ちょっと黙っててほしいと思うくらい、べらべらするようになった。
初対面の人にまであんまりべらべら話しすぎるからちょっと困ることもあるんだけれども。

こどもってそういうものなのかなと思ってきたけど、こうやって書いてみると改めてわかる、違ったんだね。
ずっと、はるは、発達障害児だった。最初から。
私が、認めてこなかっただけだ。

ずっと、『光とともに…』を読まなかったのは、診断を受けてからも視界の片隅に入れながら避けてきたのは、うちの子は違う、自閉症じゃないって、そう思い込みたかったからだ。
読んで、思い当たっちゃうのが、嫌だったから。
予感てあたるもんです。
読んでみたら、主人公の光くんとはるの特性自体はもちろん違うんだけど、そこに描かれている環境はとっても身に覚えがあった。
光の母親の悩みは私の悩みだった。泣く気持ちは私の気持ちそのものだった。
おんなじ。

読んでみよう、と思えたのは、『発達障害と家族支援』を途中まで読んで、親が障害告知を受けたときのショックというのは、「期待していた子」の「死」である、という言葉を見つけたから。
それに、発達障害児の親は、ただ「親」として在ることの他に、「療育支援者」としての役割も負わなければならないからときにアンビバレントな状態も経験し、気持ちが振り子のように揺れ動くこともある、と書かれていたから。
ああ、まさに、そうだ、そう思った。

「でも○○なんだから、いいじゃない、××は、もっとひどいんだから、大変なんだから」
という言葉は、事情を知っている方からよくかけられる言葉だけれど、私にとってそういう相対的なものではなくて、きっと私たちに限らずみんなそうなんだけど、誰とも何とも比べることなく、大変なことは大変でそれ以上でも以下でもなく、きっとみんなそれぞれに度合いを変えながらそれぞれ大変なことと向き合って暮らしているのだと思う。


本を読むきっかけになったのは、はるとの大喧嘩。
ここしばらくうまくいっていると思っていたのに、またお互いの意思疎通がうまくいかなくなってきた。
幼稚園で気に入らないことがあってものを投げてお友達にそれがぶつかった。
やりたくないことをやらなくなってきた。
先生が丁寧に指導してくださるのに、指示をきかずに好き勝手をやって、その上先生を責める。
私もイライラしていた。
毎日毎日毎日、だいじなものを君に伝えようと思っているのに、どうして君はわからないかな?!
落ち着いて考えれば、それがわかれば障害じゃないよって思えるのにね。
ママなんかいなくなってしまえと言われた。
わかった、そう言ってそれで、本当に家を出た。
さあやは昼寝してた。
たっちゃんが都合悪くというか良くというか起きたから、一緒に。
その足で私は本屋に行って、上に書いた本にであって、夕飯の買い物をして、家に帰った。三十分ほどのことだと思う。
三十分くらいのお留守番なら彼は前にも何度か経験しているから、大丈夫だと知ってのことだ、もちろん。
勝手に鍵を開けて飛び出していったりしない子だから。
途中家に電話をしたら、一度は受話器に出て「もしもし」と言ったのだけど、こちらが「もしもし」と言ったらぶちっと切られた。知らない人からの電話だと思って怖くなったらしい。

家に帰ったら、私の姿を見るとまだもじもじしていた。顔色をうかがっている感じ。
ふと見るとソファに、封筒に入ったてがみがあった。
私の名前が書いてあった。
「ままへ きょわごめんなさいいまぼくはごはんおたべて ままがかえるのおまちます。 ばんごはんお いっぱいたべてね げんきでね はるより」
涙が出た。
キッチンにはお茶碗とおはしが置いてあった。
子ども部屋の入口に、もうひとつの封筒があった。
表には実家の電話番号が書いてあり、私の母の名が書いてあった。
「まいちゃんへ たいへんなの! ままがにげだしたの!まいちゃんたすけてね。 はるより」
「!」をちゃんと意味がわかった上で使えるようになったんだー、とびっくり嬉しい半面、こうして手紙を書いて封をすれば相手にメッセージが届くと思っている(?)、社会のルールがまだわからない部分もある。
でも、このいびつさが、はるなんだなと、つよく思った。
守ってあげなくてはいけない存在としての、いとおしさが、ある。
さあややたっちゃんが私に自然に注いでくる愛情とはまるで違う、あちらもまたでこぼことした愛情だけれども、こちらもじわじわといびつな愛情だけれども、でもそれは今、ある。
事実上は私をはるが出ていけと追い出したということになるのだが、はるにとっては、にげだした、なんだ。
たしかにそう。
はると関わるのをほっぽりだして、にげだした。
ちょっと関心した。
よく見てるな、はる。

それで、コーヒーを入れて、本を読み始めた。
これから先ずっと、とはいかないけれども、きっとときどきまたこういうこともあってにげだしたりもすると思うけれど、
少なくともいまこの瞬間、にげださずに、私ははると在る。
こういう時間を、ちょっとずつでも、積み重ねるのが、いまの私たちには大切な過程なのだと思う。

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October 22, 2010

よく眠れず

最近よく眠れません。
長くて三時間。それ以上は一時間ごとに目が覚めます。

というのも、眠ると悪夢ばかり見るのです。
結構グロテスクで、恐ろしい夢ばかりです。

皆さん、夢ってどんな感じですか?
私は触覚がリアル、最近はにおいも感じることがあります(悪夢ばかり見るので、悪臭です)。

今日見たうちの、三時間眠れた時のは、自分の顔の半分が人工物で、入れ歯ならぬ入れ顔というやつ。一度つけるとフィットして見分けがつかないんですが、それが誰かの攻撃を受けてどんどん壊れてきて、針金やらなんやら飛び出してくるし、追っ手はいるし、直そうと自分で差し込むと余計壊れてきて…。雑居ビルの奥のカーテン裏の、モグリの医者に駆け込むというものでした。
肌の触った感じ、歯茎から飛び出す針金や金属、ギミックの歯の質感、そういう手触りや、モグリの医者のホルマリン臭とかがリアルなので…キモチワルイですよー…。
ヤだなあと起きて、また寝ると、別なやっぱり悪夢を見る。
そんな連続で、朝です。
夜だけじゃなくて、疲れて昼寝しても悪夢。

寝たいけど、夢を見るのが嫌で、あまり積極的に寝たくない。


いま切実に獏を飼いたいです。

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October 12, 2010

箱庭

お久しぶりです。
秋の心地よい陽気。
はるは運動会、遠足、療育グループに面談に入学準備。
四川先生は海外国内と出張続き、その合間を縫って手術。
さあやは入園準備。
たつの誕生日と検診、予防接種。
私は幼稚園の保護者会関係と北京へ引っ越す方のお別れ会と北京事情お話など、毎日毎日目まぐるしく過ぎていきます。

以前ほど後ろ向きではないのですがまだまだギアはロー。
一歩一歩がまだ重い足取りで、一日のタスクをこなすのが精一杯。
にしても秋って忙しいですね…

9月から、いろいろ、作っています。
大きくは、子ども部屋を大模様替えして、本棚と机とベンチを作りました。
小さくは、突然人形にはまった娘のために、人形のお洋服とドールハウスや家具、森のようなものを作っています。
いまお人形のものを作っていますが、箱庭療法的でとても気持ちがよいです。

現実がままならないので、意のままになるドールハウスは気持ちがよいらしく。
箱庭しています。

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