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June 26, 2008

革命は起こった、突然に。

革命は、ある日突然人の心に忍び寄り、みるみるうちに肥大して、その背を押して行動に向かわしめる。
ある日突然に。

いや、本当のところ、序曲はあるのだろう、それと気づかないだけで。
気づかないから突然降って湧いたように思える。
ブルボン朝が見たフランス革命しかり。
大奥が見た江戸城無血開城しかり。
そして今回私が見た、四川家晩酌革命しかり。

我が家の革命も突然ひそやかに起こって、それまでの常識を一転させてしまったのだ。

自家製梅酒を作りはじめて三年、今までただの一度も自分から飲もうとしなかった四川先生が、毎日梅酒を飲んでいる。
革命である。
私の梅酒はある日突然に、人権(酒権?)を獲得したのである。

誰も飲まないから、今年は梅酒を作らずにいるつもりだった。
うちには作ったものの飲み手のない梅酒の瓶が4つ5つゴロゴロしていた。
三年間、来客時に無理矢理勧める以外、まるで手つかずだった。
だから、大掛かりな掃除の度に「この邪魔な瓶どもは、何とかなんないの?棄てちゃだめなの?」と、邪険に扱われてきたのだ。

それなのに。
一体どんな魔法が彼にかけられたのかは知らないが、今四川先生は、「毎晩飲んでいるこの梅酒がなくなったらどうしよう」と心配するほど、梅酒が気に入っている。
梅干しをつけようと梅の実を干していたら、梅酒にしろとしきりに圧力をかけてくる。
見るからに立派で粒が大きい曽我の梅は、そんなわけで急遽、梅酒になることになった。

一体全体、何が起こったというのだろう。
邪魔にされていた瓶から、琥珀色の梅酒だけを救出して、ペットボトルに移し替えたせいだろうか。
追熟中の梅の実の、なんともかぐわしく甘やかな香りが、シェエラザードのごとくに、無情なスルタンを懐柔したのだろうか。

夜ごと、梅酒を青いイッタラのグラスに注ぎ、ソーダを加えて相好を崩す四川先生。
心境の変化をもたらした要因は一体何なのか不思議でならないが、ささやかだか大きな晩酌革命、喜んでいるから、まあいいか。

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