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March 05, 2008

穏やかな一日

赤ちゃんは生後六ヶ月は病気しないもの。
特に母乳の赤ちゃんはお母さんの免疫をもらうから、生後六ヶ月はその免疫が体を守ってくれるもの。

私が赤ちゃんと病について知っていたのは、「母乳信仰」ともいえるそんな知識だった。

今回のさあやの熱は晴天の霹靂という奴で、一ヶ月健診もまだの、生後20日ほどの赤ちゃんが病になるなんて、と心底驚いた。
「昔は生後半年は病気しない、って言いましたけど、今はそうでもないんですよね」と年輩の看護婦が言うと、「赤ちゃんは抵抗力が弱いから、時々いらっしゃいますよ」と、昔のアイドル(Winkの相田翔子)によく似た、ちょっと困ったような眉と大きな目に睫毛がバサバサのうら若い看護婦が同調する。

私たちは小児科病棟に移った。
病室はどこもいっぱい。
空きのベッドを探すのが難しいくらいだ。
今は感染症の子が多いそうで、さあやに伝染らないよう、感染症じゃない部屋が空くのを待っての移動になった。
同室の子は春から中学生になるお姉さんと、髄膜炎から原因不明の熱が出ている三歳半の男の子、やはり髄膜炎で治療が終わり間もなく退院する一歳半の女の子。
こんなに小さいうちに、あの背骨の隙間から髄液をとる検査(ものすごく痛いらしい)をみんなやったのか、と、憐憫にも似た奇妙な連帯感がちびっこチームには生まれた。
お姉さんはいつも酸素マスクをつけているので、悪いかなと思っておしゃべりできない。が、見ているといつも文庫本を片手にしていて、眼鏡をかけているので、昔の自分のようだと懐かしくなる(私もこのくらいの時期に入院し、卒業式に出なかったのだ)。

下の子は特に病気にさらされやすいのだという。
上の子が外から持ってくるから、外出しなくても感染の機会が充分にあるらしい。
「でもその分、丈夫になる、って聞きますよ」と相田翔子もどきが慰め(?)を言った。

幸い、熱はぶり返さずに、なりをひそめている。
今日明日で、検査結果もぼちぼち出てくるらしい。
結果待ちの今日は、他にさしたる検査予定もなく、穏やかな日になりそうだ。私もさあやが眠っている間は、横になったりのんびりと小説を読んだりしている。
自分の出血も目に見えて多くなってはいるのだが、今のところ貧血や目眩もない。
自分には自覚がないが、体は「母親」の役割を全うしてくれているらしい。我が身ながら、ありがたいことだ。

救急センターに来て以来、ずーっと同じ先生が診てくれているのも安心感がある。
若手のエースという雰囲気を滲ませる医師ではあるが、白衣よりも、捻り鉢巻きと前掛けにゴム長をコーディネートして、八百屋の店先に立たせたくなるような、気さくか感じの青年である(同世代か少し上くらいだろうか、年若い先生を指導もしているから、中堅どころなのだろう)。
産婦人科、小児科の人手不足が声高に叫ばれているが、こうもいつも診てくれると、安心は安心だが、ちゃんと寝ているのかな、などといらぬ心配がついよぎる。
もっとも、最大サイズのビー玉くらいに大きな目は、眠気が入り込む余地などないほどいつも見開かれているから、四六時中病院にいるわけでもないのだろうが。

窓の外は、ちょうど3週間前にお世話になった産婦人科病棟。
産後指導を受けたり沐浴練習をした部屋が眼前にある。
ついこの間までいた場所を、別の角度から見ているのは、なんだか複雑な心境である。

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