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February 29, 2008

一里塚。

江戸時代、個々人の誕生日ではなく新年にまとめて歳をとっていた時分、うまいことを言った人がいました。
「門松は 冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」
昨日は私の誕生日でしたが、なんだかこの言葉を妙に実感して、しみじみしたのでありました。

さあやの誕生以来、なんだか自分のことは二の次三の次で、いつも自分で自分を祝うほど(なにせお祭り好きなもので)楽しみにしていた誕生日も、まるで霞んでいました。
それは、いのちを産み落とすという大仕事の後だからなのでしょうが、男の子と女の子を産んで「御役御免」、残りの人生は「余生」だと思える、奇妙な充実感・満足感に起因しているのかもしれません。
20代の頃は、「30歳で隠居生活」するのが夢だったので、まさにそれが結願したなぁ、という充足とも言えましょう。
余生。
いい響きです。
自分の好き勝手に、まわりに煩わされずに、人生の手綱をとれるような響きがあります。
私には(平均寿命換算で)あと50年も余生があるわけです。
こんな贅沢は、他にきっとないでしょう。
実にめでたい。

しかしながら。
「めでたくもなし」と思えることももちろんあるわけで…それもまた、この人生最大の大仕事に起因しています。
まず。
はるの時に比べて、夜中の授乳の眠いことといったらありません。
日中も、さあやがあまり寝ずに、ちょっと飲んではインターバル、そしてまたちょっと飲んで…と繰り返していると平気で2~3時間が過ぎてしまうということが多く、あまり身体を休める暇がありません。
そのせいか、いつもとっても眠いし。
そして何より、出産という人生の局面で、女性が陣痛の次に恐れる(?)増加した体重の減りが…そう、遅いのです、明らかに。
そんなとき、ああ、年をとったなぁ…と実感せずにはいられないのです。
寄る年波というのは時に残酷なものです。
誰にも平等に時間は過ぎていくわけですが、自分のところには3倍速くらいで訪れているんじゃないか、とさえ思えるほど。
めきめき体力の衰えを感じる中では、やはり「めでたくもなし」と呟きたくなるのもまた、人情。

今年は居候の身に加えて、状況柄、さあやの御七夜や初節句、御宮参りなど、お祝い続き。
先週は、四川先生の誕生祝まで(本人はいませんが)していただいたのです。
その上、さらに私のことまで気遣いをおかけしては悪すぎるので、誕生日のことも黙っていたのです。
ところが、そんなことまるで斟酌しない実家の母が大仰な花を届けに来て露見してしまい、夜はお寿司をとってお祝いしていただいてしまいました(ええ、わざわざとっていただきましたからには、遠慮せずにしっかりいただきましたとも、好物ですから…)。
いつになく私宛の小包や郵便物が多いのも、「ああ、それで!」と納得された次第。
昨日は多くの方からいろいろな贈り物をいただきました。
出産祝いと一緒に贈ってくれる人もあり、奇しくもこの日に出産祝いが届いたりもし、ダブルでお祝いをしていただいたような気分になり、とても嬉しい一日でありました。

良きにつけ、悪しきにつけ、誕生日というものは、自分のふらふらした人生のまさに一里塚のようなもの。
今年は、新年ではなく昨日、ここから先の一年の目標を立てました。
数ヵ年先のおぼろげな目標と、一年の目標と。
「女の大厄」の一年でもあるので、控え目に、小さなことばかり目標にしたのですが、つねづね見据えて、ひとつでも多く実現しようと思います。

つい先日明けたような新しい年も、如月も、早くも今日でおしまい。
こんな調子で、人生が終ってしまう前に。
一里塚を辿り辿り歩いた道を振り返ってみた時に、どんな景色が見えるのかを楽しみに。
「余生」、目一杯楽しもうと思います。

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Comments

私はまだ余生の域には達してないよ〜crying
まだまだ二人に振り回されっぱなしッス…
でも、言い方を変えると子供が生まれたら第二の人生の始まりよね。「お母さん」としての新しい自分の人格がなんとなく出来てきたかな〜と感じてます。でも、本来の自分を満喫する「余生」にかなーり憧れるなぁ…いつの日やら。
P.S.
ホメオパシーなんとなーく効いてるみたいで良かった!
信じる者は救われる?!かな。

Posted by: レイコ | February 29, 2008 at 11:15 PM

「お母さん」としての新しい自分の人格かぁ…羨ましい!
というか、すごい、と本気で思います。

私、告白するとそれがどうも感じられなくて…いわゆる「母性」が欠如しているんだなぁと思うんだ。
「お母さん」人格って、未体験ゾーン。
子どもを生んだからといって自動的に母性が生まれるわけじゃないし、親だから子だからと無条件に愛する感覚というのも、正直なところよくわからないんだよね。
子どもはもちろん可愛いし、子育てって面白いんだけど…。

今、四川先生のご両親が、四川先生はじめ3人の子ども達に対して語る感覚や、まわりの子育て経験者が語る言葉と、自分の感覚の中に、乖離を感じることもしばしば。
なんていうか、子どもがやってきてからは、人生の中でのいろいろな出来事の比重が変化したなぁ、とは思うのだけど、「お母さん」よりは「年上の友達」に近い感覚で、あとはある種の責任で、子どもに対峙している気がするんだ…。
これが、「お母さん」人格が未発達なだけなのか、あるいは根本的な欠如なのかもわからないけど、ひとまず今は幼稚園に期待してます。
ステージが変わると、何か変化するかもしれないから。

もっとも、変わらないなら変わらないで、あまり気にしないかもしれないけど(笑)。

ホメオパシー、レイコの影響ではまり始めましたよ~。
ひとまず子どものケアとか、私自身の病院にかかるほどでもないトラブルのケアに、試してみようと思います!
ありがとうね~。

Posted by: zok | March 01, 2008 at 04:07 PM

いえいえ〜。他の人はどうかわからないけど、少なくとも私は演じてますよ〜。明らかに本来の私では無いッス。
女は女優っていうじゃない(笑)ある時は母親、ある時は妻、ある時は一人の人間としての自分!みたいな…
やっぱりその時の役割によって、その役に近づくようになってきたというか…ま、そんな程度ですよ。あんまり悩まないようにね(笑)

Posted by: レイコ | March 04, 2008 at 10:40 PM

演じる…なるほど(笑)
それならわかるよな気がする~

ところでホメオパシーすごいね!
風邪がぴたっと治ったよ~
ちょっと楽しくなってきました(笑)
これから病院行く前段階として、いろいろ試してみるよ~

Posted by: zok | March 07, 2008 at 08:31 PM

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