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October 13, 2007

上海旅手帖/アールデコの摩天楼

向かい合って建てられているふたつのホテル・花園飯店と錦江飯店、そのどちらもが、アールデコ建築である。

日本人が好んで宿泊する花園飯店、現在はホテル・オークラの所有となっているホテルは、かつては「世界一のコスモポリタン・クラブ」として名を馳せた場所だそう。現在はパーティ会場(大宴会場)として使用されている場所の天井には、アールデコ様式の大きなステンドグラスがあるのだという。
(実は私、中学生の頃、一度このホテルに宿泊している。もちろん当時そんな素敵なものと知る由もないから、「素敵だな、また来たいな」と思っただけ。今となっては口惜しいような気分。探検しておけばよかった!)

Sn390348今回は、錦江飯店を中心に見学してきた。
天高く聳える、アールデコ・スカイクレイパー様式(というのだそうだ)の貴賓楼、かつては外国人のための高級マンションだったのだそうだ。
いくつかの似たような建物が林立するこの一帯(もちろん現在は、全てがホテル錦江飯店)、ふたつの高級マンションとそれに付随した建物だったよう。
向かい側にクラブ(現・花園飯店)があったため、もちろん高級マンションは大当たり。上海で最も人気のあるマンションに数えられたという。
このマンションに入っていたレストラン「錦江飯店」が、現在のホテルの由来となったそうだ。

Sn390346玄関から貴賓楼に至るまで、私達は錦江飯店のトレードマークになっている、アイアンワークのアールデコ紋様をいくつも目にすることになる。
この美しい紋様がつけられたドアが整然と並ぶ様子は、本当に素敵!
壁の茶色、門を縁取る白い飾りレンガ(ここにもアールデコ)、そして黒いドア。
このコントラストが、なんともたまらない。

Sn390349トレードマークが美しいというのは、何にもました装飾になる、と感じた。
それが、このステンドグラス。
おそらく当時のものだろう。
アイアンワークのトレードマークに、カラフルなパステル色のステンドグラスが添えられているのだけれど、このガラスが気泡と不純物を含み、もちろん表面はでこぼこ。
その風合いすら、美しく感じられてしまうのだ。
時代はアールヌーヴォーからアールデコへ、そしてモダンへと流れ、人の手の感じられるものから機能的で合理的な抽象化へと進んでいくけれども、それを構成しているこういうガラス1枚のどこかに、当時の人たちの息遣いが感じられる。
なんだかそれが、私にはとても愛おしく思える。
時代を超え、美しいものを引き継ごうという、その時の人の真摯なこころそのものに思えるから。

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