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October 15, 2007

上海旅手帖/長江をのぞむ

Sn390356遊覧船、というものに乗ったのは、何年ぶりだろう?
外淮からゆらゆらと川を遡って、北東に広がる長江へ。
往復3時間ほどの旅程である。

川から眺める上海の町並みは、陸からそれをのぞむのと違って、ひどく工業的だ。
大小さまざまなクレーン車立ち並ぶ大きな工場、ガスの工場。小さな船の窓外は、美しい町並みとはちょっと異質な風景。
乗り込む人々は、私達のような海外からの観光客の他、地方からの客とみえる家族連れが多い。
お菓子や飲み物を各自持ち込んで、飲み食いしながらのんびりと船旅を楽しんでいる。
自分たちだけでは絶対に選択しなかったであろう観光手段。新鮮な感じがして、面白い。

Sn390354はるは、船着場までの間で、露天商が売っている玩具を買っていただき、なんともご満悦の様子。
「ねずみさん、チューチュー」と言いながら、散歩させてあちこち歩く。
実にシンプルな玩具で、材料は輪ゴム・石・紐・スポンジ。
真ん中をくり抜いて輪ゴムを通した石が、紐を巻きつけられ、スポンジ製のねずみの皮をかぶって、ころころ回っているだけのものなのだけど、これがなんともうまい具合に、ねずみがしっぽをふりふり歩く愛らしい姿に見える。
歩いているうちはまだよかったのだけど、狭い船内のこと、はるからこれを取り上げ、椅子の脇のテーブルに置いていたことで悲劇が起こってしまった。
出航後間もなく、船室の一角(テーブルを囲んだソファ席や、ベンチ席になっている)に座っていた私が、配られた乗船記念品を仕舞うため、一瞬鞄に目をやった瞬間のことである。
自分でなんとかしようと手を伸ばしたはる、その時折悪しく舟が揺れ、口をテーブルの角に激しく打ち付けてしまい、上の歯茎と唇をつなぐ腱を少し切ってしまったのだった。
口は血だらけ、上唇は映画「グリンチ」に出てくる妖精「フー」のように腫れ上がってしまった(それはそれでかわいい姿ではあったのだけど)。
かわいそうに。
(船上などは、万が一こどもに何か起こった時に、緊急な手段が取れないところが怖い。今回は軽症で済んだけれども…)
はるは少しすると口の痛みもどこへやら。
四川先生も私も優しいので、すっかり気分を良くして、甘えん坊大王と化していた。

Sn390361川岸に土手以外の何も見えなくなってくると、いよいよ長江が間近に迫ってきたサイン。
そこから10分も揺られると、まるで海のような、対岸を見ることのできない大河が眼前に姿を表した。
心なしか、水の色が違うように見える。
これが長江なんだ、と、船尾に翻る国旗とともに、悠久の歴史に思いを馳せてみる。
長江に入ると、船はぐるりとUターンをして、もとの川路を引き返し始める。
大河を眺められるのはほんの少しの時間なのだけど、風に吹かれ、陽射しを浴びて、はるも「船、いいねー」と喜んでいる様子。
家族写真もとっていただいて、中国滞在のとても良い記念になった。

Funeところで…
総勢5~6名の、船のサービス員たち。
お土産を配り終えると、どうやらその後は到着まで休憩時間らしい?!
テーブル席の一角に座って、持ち込んだおやつを食べ、携帯をいじり、ついには船内据付のカラオケをつけてBGMがわりに遊んでいる模様。写真の女の子は、両足をソファに投げ出して、ゲームに興じている。
上海到着の10分前くらいになったら、全員でいそいそとお化粧直しをして、お見送りに備えていた。
なんというか、驚いてしまう。
気楽でいいアルバイトだな~と、見ていて羨ましくなるほど。

Sn390362さて、帰路についた船の中では、もうひとつの事件が。
ランニング姿で寝ていたおじさんが、突然むっくり起き出して、チャイナ服を着出した。
そして足元から取り出したのは…サックス!
これで1F船室、2F船室、甲板と、演奏旅行に出かけ出す。
「大学で日本語をやっていました」とカタコトを話すおじさん、じいっとサックスを見るはるのことが気に入ったらしく、何度も私達の目の前に来て演奏してくれた。
曲目は「北国の春」「さくらさくら」など…
上海につくと、普通の乗客と同じように、乗船記念品を持って去っていった彼。
サービス側の人ではないようだけれど、一体何者だったのでしょう?
そんな不思議な人がいるのも、なにやら中国的なおおらかさのよう…

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