« 中国茶を買いに。 | Main | 三得利の烏龍茶。 »

October 03, 2007

ニーハオさん。

ある日のこと。
いつものように、お掃除をしてくれる二人の女性が、帰っていったとき。
「あーあ、ニーハオ、いっちゃった。」
と、はるがため息をついたのだった。

はるが言えるようになった中国語は、ニーハオ(こんにちは)、シェシェ(ありがとう)、ツァイチェン(さようなら)と、暮らし向きを反映したような、ダーバオ(料理等の持ち帰り)。
小さい彼なりに、中国語と日本語は違うということ、自分の使っている言葉と相手の言葉は違うこと等、わかっているらしい。

それで、自分が唯一コミュニケーションをとれるのが「ニーハオ」なので、はるにとって中国のひとたちは「ニーハオさん」らしいのだ。
はるがニーハオ、と言うと、ニーハオ、と返してくれる。
そのいっときのコミュニケーションが、きっと嬉しいのだろう。
しかし、はるにとって「ニーハオ」さんは、全員が全員ではない。
日ごろ自分がお世話になっている人にのみ、「ニーハオ」さんの称号が与えられる。
例えばタクシーの運転手さんや、レストランの給仕係の人たちは「ニーハオ」さんではない。
お部屋を掃除してくれる女性たちや、電球を替えてくれたり飲料水のタンクを運んでくれる男性だけが、親しみをたっぷりこめて「ニーハオ」さんと呼ばれる特別な存在なのだ。
(ちなみに、電球を替えてくれたり飲料水のタンクを持ってきてくれる男性は、青いシャツが制服。はるは青が好きなためか、「青いニーハオ」と、一般的な「ニーハオ」さん達とはわざわざ区別して語られる)
飲料水を注文するときには、目をきらきらさせて「青いニーハオ?」と聞いてくる。

中国の人たちは、概して子どもにとっても優しい。また、寛容でもある。
ニーハオさんたちは日常生活の中で、とくにお世話になっている人たち。
はるは、彼らとの交流を、言葉が通じないなりに、こどもなりに、楽しみにしているらしい。

閉まったドアに向かって「あーあ、ニーハオ、いっちゃった。」とため息をつくはるの姿、私達にとっては、なんだかほほえましい光景なのである。

|

« 中国茶を買いに。 | Main | 三得利の烏龍茶。 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 中国茶を買いに。 | Main | 三得利の烏龍茶。 »