« トンペリ事件。 | Main | モンゴルな日々。 »

September 12, 2007

パンは麺です。

四川先生おすすめの日本式居酒屋に連れて行ってもらった。
店に入ると、ちょっと独特のにおいがする。
それもそのはずで、店の真ん中には炭火のオープンキッチンが据えられ、串にさされた秋刀魚が焼かれていた。囲炉裏端を連想させる、とても素敵なお店である。
炭火キッチンにぐるりめぐらされたカウンター席、そのまわりにテーブル席が散在し、奥には畳の小上がりもある。
日本そのものがここに引っ越してきたかのようなお店で、見渡す限りお客さんも日本の駐在員の方のよう。

私たちは、煮卵や鰈の一夜干し、オクラ納豆、鴨鍋など久々に懐かしいメニューに舌鼓をうち、はるも肉に魚に卵にごはんに…とたらふく食べて、全員が全員食欲の権化となっていた。
ちょうどその、後ろの席では、日本人男性が数人、宅を囲んで楽しげに会話しているところである。
その席に途中から中国人女性が一人加わった。日本語がとても流暢である。
もちろん話しの内容までは耳にしていないが、中国の人は総じて声が大きいため、女性の声だけは妙にこちらのテーブルまで届いてくる。
その女性が、麺がどう、と話している。
中国は長江を境に、南が米を北が麺を主食としているそうだが、この女性はあまり麺が好きではないといっているらしい。
女性の声が、時にぱちぱち響く炭のはぜる音よりも響く。
「そば、ラーメン、スパゲティ…麺はどれも好きじゃない、それから、パンも。」

えっ?!パン?!
私もびっくりした。
そこからテーブルはもめにもめて、
「パンは麺じゃない」
「いや麺だ」
と言い合いが続く。
結局中国では麺で、日本では麺じゃない、というような結果に落ち着いたようなのだが、詳しくは聞いていない。私たちのテーブルに焼き魚がきたので、食べるのに熱中してしまったのだ。気づけば後ろのテーブルはまた再び楽しげな談笑に戻っていた。

中国語でパンは、面包と書く。
ちなみにパンの原材料表記を見ると、最初に「面粉」と書かれている。
つまりは、小麦粉が「面粉」というらしい。
確かに、女性が言ったように、面である。
ほんのささいなことだけど、日中の違いが面白いひと時だった。
日本に帰ったら、誰かに得意げに話してみようと思う、「中国では、パンは麺です」。

|

« トンペリ事件。 | Main | モンゴルな日々。 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« トンペリ事件。 | Main | モンゴルな日々。 »