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September 28, 2007

ドロップ事件。

偽物がまっとうに(?)横行する、ここ中国。
輸入品のラベルがあればOKかというとそうではなく、そのラベルさえも自前で作っていることがあるそうな。
自分が知っている味と違う、微妙な「輸入品」があったらご用心。
そんなことが、半ば「常識」化されているむきもある。

さて話は変わるが、つわりの時に、母から送ってもらったサクマドロップがなくなりつつあったので、輸入食品店で買ってきた。
缶のデザインが違うのが少々気になったが、この二ヶ月間のタイミングでパッケージデザインが変わっていても不思議はない。
開封済かどうかがわかるシールがちゃんとしていたので、偽造ではなさそうだとひと安心。

ところが家に帰って、早速一粒食べてみると――味が違うのである。
驚いて、両方の缶を見比べてみた。
まず、正式な名が違っている。
「サクマドロップス」と、「サクマ式ドロップス」。
社名も違う。
サクマ製菓と佐久間製菓、それぞれ会社も恵比寿と池袋の違いがある。
調べてみると、そもそもサクマのドロップを作っている会社が2社あるのだということが判明した。
つまり、どっちも日本製の本物だった。

この紛らわしい出来事の発端は、戦時中の砂糖の供給停止で、一旦会社が解散に追い込まれたためとのこと。
戦後、息子と番頭がそれぞれ興した2社の「サクマ製菓」が「サクマドロップス」を販売するややこしい事態に陥ったそうな。
その後裁判を経て、番頭の会社が「佐久間製菓」に改称したのだという。

中国にいなかったら、つわりにならなかったら、知らないまま終っていたかもしれない、ちょっと面白い話だった。
私の個人的な味覚からいうと、サクマ式ドロップス(佐久間製菓)の方が美味しい。香料がきつくないのだ。
赤いレトロな缶で販売されている方だ。
ジブリアニメ「火垂るの墓」でも登場した、戦前に売られていたサクマドロップスの缶デザインを復刻したものだという。

生まれる前の、ずっと昔の出来事のように思えている戦争の影が、実は生活の一部にまだひっそりと生きているのだと考えさせられる出来事でもあった。

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