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September 2007

September 30, 2007

バイリンガルール。

海外に出ると、頭の中のスイッチが切り替わるような気がする。
どうやらそれは言語体系のスイッチのようで、日本にいるとごくごく簡単な単語さえ思い出せない英語も、海外では思いのほかスムーズに頭に浮かんでくるようだ。

中国語ができない私にとっては、英語は欠かせないコミュニケーション手段。
(ただし、あまり活躍の機会はないのだけど…)
日本語で用が足せるマンション内では使う機会も限られているけれども、日常生活の中で、母国語の次に頼りにできるのは今、英語である。

そんなある日、四川先生から提案があった。
「今度から、外出する時は、必ず英語で話すことにしよう。」
どうも彼は、こちらで英語プレゼンテーションを行う予定に備えて、英語力をブラッシュアップする心積もりのようだ。
冗談半分にOKしたのだけど、すぐどちらかが音を上げると思った割に、いざやってみると、なかなかこれが面白い。
この日はとあるホテルの飲茶を食べに出かけたのだけど、「もちもち感」は英語でなんと表現するのだろうか、とか、「ぼったくり」はなんだ、とか、お互いにお互いの語学力――の、主に欠損部分――に気づいたり、一緒に考えたり、結構楽しい経験になった。

日本ではこっぱずかしくてとても出来ないが、こういうのも「旅の恥は掻き捨て」の一種?
日本語で話しているよりも、欠損している語学力で話して方が、言葉がまろやかになるようにも思え(笑)、お互いにどことなくよそゆきな気分になるのも、ちょっとしたエンターテイメントでもある。

いつまで続くかわからないが(私個人的には、四川先生がプレゼンテーションした当日には終るだろうと予測している)、飽きるまで、外出の度のバイリンガルールは適用されるそう。

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September 29, 2007

美しきもの、ちいさきもの。

鼻煙壷、というのをご存知だろうか。
私は先日訪れた琉璃廠でその存在を知った。
以前、骨董品を扱うお店などで何度か目にしていたことはあったのだが、一体何に使うものなのかもあまりよく知らなかった。
これは、中国で清の時代にポピュラーになった、嗅ぎ煙草を入れておくための小物だったという。それがおしゃれの一環として、様々に工夫をこらした美しいものに発展したのだそうだ。

ちょうど、香水のミニチュアボトルくらいの大きさのものから、小ぶりの醤油さしくらいのものまで、いくつかの大きさのものがある。
一旦気にしてみると、骨董もよく扱われる琉璃廠では、ウィンドウに並べられていることが多い。
よく見かけるのは、マッチ箱大の大きさのものだ。
材質も、ガラスのもの、玉など石材を彫ったりくりぬいたりしたもの、象牙や陶器のものなど多種にわたる。

Sn390213この写真はアンティークを扱うお店で写真に取らせていただいた、清時代の陶製のもので、実に繊細な絵が描かれている。
瓢箪型のものには、瓢箪の蔓の他、中国では幸運を運ぶ動物と言われている蝙蝠(「蝠」と「福」が同じ発音だからなのだそう)が、やはり縁起の良い色とされる紅色で描かれている。
また青い方にも、山水を背景にした人物がとても丁寧に描かれている。
お値段はそれぞれ2万円(!)ほどとのこと、もちろん手が届くはずもないが、「あなたがどうしても欲しいなら値段は考えてあげる」と言われたのだが、まだ自分には分不相応な贅沢のような気がして、ご辞退申し上げた。

Sn390216ちょこちょこ歩いてみた中で、私がすっかりはまってしまったのが、この写真のもの。
内画鼻煙壷と言って、一番小さいサイズのもので4センチほどの大きさの壜なのだけど、その中に実に繊細な絵が描かれている。
1センチにも満たない壜の口から筆を入れて、内側に絵を描いている、すごいものなのだ。
絵の内容は花鳥のほか、花と蝶、十二支のもの、パンダのものなど様々。大きさがいくつかあって、大きくなるにつれて中国の偉人らしき賢者、武人のほか、美人が漢詩とともに描かれていたりする。
壜はなんと水晶(!)で出来ていて、中に自分の好きな香りを入れて使うのだと教わった。
Sn390217この黄色い軸のものが筆なのだけど、爪楊枝よりも細い。
一番後ろの碗からまず墨をつけ、次に銅貨?の入っている碗でその墨を調節して、ライトで手元を明るく照らしながら、思い通りの線を描く。
(右端に映っているボールのようなものは、これも水晶で、飾り物だそうだけれど、これも中に絵が描かれている。一番手前のものに、蝶の翅の部分と花の一部が見えるだろうか?)
安いものではないけれど、現代もののせいか、アンティークに比べたらお値段も手頃だ。

Sn390218この繊細な手仕事の主で、思わずマイスターと呼びたくなる、許(XU)氏。
彼のこの内画鼻煙壷(許氏内画芸術)は、海外のアート誌に掲載されたこともあるそうだ。
名刺には「XU FAMILY」と書かれているので、彼の一族が代々この伝統を守っているのかもしれない。
まだお若い方だけれども、このお店にあるものは全て彼の作品だそう。
購入すると、彼の作品であるという証明に、箱に「許氏」と落款が押されるのも、なんだかとても価値あるものをわけていただいたような気分になる。

美しくて、ちいさいもの。
だけれどその存在は、心をゆたかに満たしてくれるような気がする。

(蛇足1)
似たような使い方をされたものが西洋にもある。アンティーク好きの方なら、ご存知かもしれない。
フランスでは「フラコン」または「フラコン・ド・セル」と呼ばれているもので、上流階級のご婦人方が気絶した時のために、中に気付け塩を入れて携帯したと言われるものだ(当時のご婦人方はよく気を失いそうになったらしい。性格がしおらしかったため、とも言われているけれども、一説にはコルセットの締め付けすぎとも…)。
そういえば鼻煙壷の中にもともと入れられていた嗅ぎ煙草は17世紀にヨーロッパから清に伝来したと言われている。古くはカトリーヌ・ド・メディシスが頭痛薬として用い、フランス宮廷をはじめ庶民にまでとして広がった。嗅ぎ煙草は「上品な煙草の楽しみ方」として上流階級にもてはやされ、ナポレオンやマリー・アントワネットも使用したという。
鼻煙壷とフラコン・ド・セルの間に文化的な接点があったかどうかまでは、浅学のためわからないけれども、似たような使われた方をしているのが、なんとも面白いではないか。
ヨーロッパ発祥の嗅ぎ煙草入れ(英語では鼻煙壷はスナッフボトルという)が、東洋の伝統芸術になっているのも、愉快だ!

(蛇足2)
ちなみに調べてみたら、嗅ぎ煙草は現在でも販売されているそうな。
アプリコット味や蜂蜜味、バニラ&フルーツ味や、アイリッシュウイスキー&コーヒー味なんていうものもあって、ちょっと面白そうだ。
粉末を鼻の粘膜につけて使用するもののよう。
煙を吸うわけではないから、喉や肺に負担をかけないし、眠気覚ましなどに使う人もあるそうだ。
もっとも、体内にニコチンを吸収するという点では、従来の煙草同様なので、恒常的な使用は個人的にやや躊躇いがあるのだけど。機会があったら一度くらい、試してみたいものだ。

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September 28, 2007

ドロップ事件。

偽物がまっとうに(?)横行する、ここ中国。
輸入品のラベルがあればOKかというとそうではなく、そのラベルさえも自前で作っていることがあるそうな。
自分が知っている味と違う、微妙な「輸入品」があったらご用心。
そんなことが、半ば「常識」化されているむきもある。

さて話は変わるが、つわりの時に、母から送ってもらったサクマドロップがなくなりつつあったので、輸入食品店で買ってきた。
缶のデザインが違うのが少々気になったが、この二ヶ月間のタイミングでパッケージデザインが変わっていても不思議はない。
開封済かどうかがわかるシールがちゃんとしていたので、偽造ではなさそうだとひと安心。

ところが家に帰って、早速一粒食べてみると――味が違うのである。
驚いて、両方の缶を見比べてみた。
まず、正式な名が違っている。
「サクマドロップス」と、「サクマ式ドロップス」。
社名も違う。
サクマ製菓と佐久間製菓、それぞれ会社も恵比寿と池袋の違いがある。
調べてみると、そもそもサクマのドロップを作っている会社が2社あるのだということが判明した。
つまり、どっちも日本製の本物だった。

この紛らわしい出来事の発端は、戦時中の砂糖の供給停止で、一旦会社が解散に追い込まれたためとのこと。
戦後、息子と番頭がそれぞれ興した2社の「サクマ製菓」が「サクマドロップス」を販売するややこしい事態に陥ったそうな。
その後裁判を経て、番頭の会社が「佐久間製菓」に改称したのだという。

中国にいなかったら、つわりにならなかったら、知らないまま終っていたかもしれない、ちょっと面白い話だった。
私の個人的な味覚からいうと、サクマ式ドロップス(佐久間製菓)の方が美味しい。香料がきつくないのだ。
赤いレトロな缶で販売されている方だ。
ジブリアニメ「火垂るの墓」でも登場した、戦前に売られていたサクマドロップスの缶デザインを復刻したものだという。

生まれる前の、ずっと昔の出来事のように思えている戦争の影が、実は生活の一部にまだひっそりと生きているのだと考えさせられる出来事でもあった。

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September 27, 2007

思いは、離れて、募るもの。

ここのところとても、恋しいのです。
恋しさの相手は、着物。
10月、袷の季節が近づくにつれて、体の内側からなにかムズムズと、恋しさがこみ上げてくるのです。
帰ったらあの着物に、あの帯を合わせて着たいなぁ…と、机上に積み上げられた江戸の本を横目に考えるばかり(おかげで、肝心の勉強の方はさっぱりはかどりません)。

そうやって思いを馳せているうちはまだ良いのですが、うっかり行動に出てしまうのが私の悪い癖。
帯といえば、あの着物に合う帯ってどんなかしら?と、YAHOO!オークションをチェックし始めてしまったらもう、運の尽き。
「えっ、これがこの値段?!」と、安さにかまけて、入札のはかどることはかどること…。
お店をふらふらする楽しみがないせいか、日夜オークションサイトを見ながら、あの着物にこの帯に…と架空のコーディネートを楽しみ(そして時に「闘い」に挑み)、取り憑かれたようになっています(笑)。
お着物は今までの2年間で、見初めたもの&お譲りいただいたものなどで随分揃った感があり、今回の重点目標は、ようやく締められるようになった名古屋帯。
お着物の方は、これからの季節の普段着に着られる、ちょっと身幅が広め(妊婦のお腹周りに配慮して…)のウールのものを1000円~3000円で入手しました。
お陰でへそくりは随分目減りしましたが、帰国後の楽しみも増えることに。

中継地点にしている実家の母が、ぞくぞく届く和装関連品に驚き、身代を潰しやしないかと心配して国際電話までかけてきたほど(笑)。
その母も、それぞれの値段を聞くと、母達世代が考える「常識的な価格」とは桁違いの安さに仰天。
また、私のモノを選ぶ目が着物を着るようになってから随分上達したことに関心されました。そういえばもう3年目です。もっとも、私は見る目なんてまるでなく、なんとなーく気に入ったものばかりを狙っているのですが。
母が「これなら私も欲しいわ」と言っているうちはいいものの、しまいには、今回一番張り込んだ「お目当て」の塩瀬の未使用品の帯、帰ったらすぐに締めようとおもっていたのに、「使うのが勿体無い」「締めずに眺めているだけで十分」とかなんとか言って、最低でもお正月までおろしてもらえないことに…(苦笑)。
着物談義で母娘きゃあきゃあ言い合えるのは楽しいけれど、なまじ相手が上手なだけに、良し悪しです(笑)。

今回は念願だった四川先生の着物まで、入手しました。
本人、着てくれるかどうかわかりませんが、とても着物の似合う体型(注:男性の着物はお腹が出ている方が、格好良く着られるのだそうです)だと思うので、私はひそかに楽しみにしているのですが。

ああ、恋しや着物。
なんせ、多少体型が変わっても対応できる柔軟さ、妊娠+食べすぎの私にはやっぱり、愛の対象です。
そうそう、妊婦なのに着物?!って思う方、意外といらっしゃるようですね。
しかし!着物は妊婦にとっても強い味方らしいのです。
一回でも冬場にお着物を着られた方はおわかりのように、何よりあったかいですし、帯があるため前かがみにもならず、日常生活での胎児への負担も少ないそう。
腰紐をしめる位置をお腹の上(か下)にすることや、楽ちんな帯の結び方(カルタ結びなど)をしていれば、日常の着物生活にほとんど不便はないらしいのです。…まだ実践していないので、聞きかじりの知識ですが。
普段着お着物推進・着物ライターのきくちいまさんが、お着物妊婦生活を『きもので出産!』という一冊にまとめているそう。
帰国したら、早速チェックせねば!と思う、私なのでした。
やっぱり、思いは、離れていれば離れているほど、焦がれていくようです(笑)。

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September 26, 2007

名残のスイカ。

Sn390212_2こちらに来て、スイカをずいぶん食べた。
外食の際は、注文していないのに、必ず食事の最後に水菓子が出てくるのだ。
そのプレートには、スイカを中心に、いろいろな果実が盛られてくる。
1~4種類くらいのものが出されるのが通例のようだ。

季節柄のせいなのだろうか、それとも中国の人たちがスイカ好きなのかはわからないけれども、スイカ味のものもいろいろとある。
スイカジュース。
スイカアイス。
ちょっと気の利いた店だと、フレッシュスイカジュースもメニューに載っている。

中国だからこそお目にかかる果物というのももちろんあって、たとえば写真の中央部、矢印のような形で写っているものは、瓜なのだそうだ。
店員さんにこれは何かと聞いてみたら、黄色い瓜、といわれたのだけれど、正式名称は他にあるのだと思う(私には聞き取れなかった)。
メロンをもう少しさっぱりさせたような甘みと、スイカとナシの中間くらいのサクサク感があって、私のお気に入りのフルーツでもある(そして名前がわからないから、スーパーの果物売り場で買えないものでもある)。
他にも、冬棗、という名の、ひめりんごのようなものに出逢ったり(食感と味は青りんごに似ている)、カットされたドラゴンフルーツが出されたり。
なかなか楽しいものだ。
それから、どういうわけかプチトマトも、このデザートプレートでお目にかかることが多い。
写真左端の、ぶどうの実のようなものも、黄色いフルーツトマトだった。
中国ではトマトは果物の部類なのかしら?

そんなこんなで、家で食事をすると時々物足らない感に襲われることがある。
原因は、この、スイカ。
慣れると、こんなに素敵なデザートはない。
スイカのさっぱり感が生かされるのは、中華料理全体がわりとこってり系のお食事だからかもしれないけれど、食事の後にきりっと冷えた一切れのスイカを食べるのは、とても爽快感があるものだ。
家にスイカの買い置きなどないので、シャクシャクの甘いスイカが妙に恋しくなるのである。
中秋節も終わり。
スイカともそろそろおさらばだろうか。

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September 25, 2007

中秋の名月、月餅づくし。

月餅というと、中華菓子の代表格のように思えますが、本場ではこの時期にしか出回らないそう。
「中秋の名月」(今年は9月25日、今日です!)の時期に、日本で言うお中元のような感覚で、お世話になっている方に贈るものなのだとか。街の中では、いくつも月餅の袋を抱えて挨拶まわりしている様子の人たちを、よく見かけます。
それに、雑誌やTVの広告のほか、料理を食べに行くお店でもあちこちに、贈答用の月餅とパンフレットが山積みになっています。近くのスーパーの入り口付近には特設コーナーが設けられ、うず高く積み上げられた月餅の箱で、通りからは店も看板も一切見えないほどに白熱中(笑)。
西洋資本のお店でもそれは例外ではなく、スターバックスコーヒーやハーゲンダッツアイスクリームでも、それぞれの工夫をこらした月餅が扱われていて、目移りしてしまうほど!(ハーゲンダッツはパンフレットにケリー・チャンを起用していて、見た目にも素敵でした)
英語では月餅、そのまま訳してMOON CAKEというのだそう。

さてその月餅は、餡が入った中華風焼き饅頭という、私が従来知っていた形ではなく、大きさや中の餡まで、実にバリエーションに富んでいます。
本来は卵の餡が詰められるもの、とか、色々入った微妙な味が伝統的なもの、とか、香港式では餡がカスタード、なんていう話も聞きます。ホテルのパティシエたちはこぞって「ヌーベル・月餅」を開発するらしく、抹茶味・コーヒー味・ストロベリー味…なんていろいろなものを見かけます。
思わず全部食べ比べてみたい!と思ってしまうのですが、その願望こそが曲者だったりもします。
手当たり次第試したのでは、「おいしい月餅」に出会える確率は格段に下がるからなのです。

Sn390141まずは、大手の中国茶メーカー「天福茶館」の月餅を試してみました。
6個入りで、1200円~1300円くらい。
急須の形のリーフレットがかわいいです。
これは伝統的な餡のようで、食べてみたら、いろいろな味がしました。
餡がベースでほんのり棗の酸味があり、後味は黒胡麻。
…おわかりでしょうか、おいしくないわけではないのですが、結構微妙~な感じなのです。
五つの味がするという餡が、上等だと聞いたことがあります。

Sn390204続いて、近くの家庭料理屋さんで求めた、卵餡の月餅。
黄色い餡の中央には、卵の黄身がころんと据えらています。
卵餡というと、カスタードのようなもの、または和菓子の黄身餡を想像していたのですが、どうやら中華のそれは違うようです。
肝心のお味は…卵の黄身は、ゆで卵の黄身そのもので(つまり甘くもしょっぱくもない)、それが妙にエキゾティックな香りのついた白い餡の中に納められ…あとはご想像下さい。

そういえば日本人向けの雑誌に、「月餅はもうこりごりというあなたでもこれなら美味しい!」という大胆なキャッチフレーズが書かれていた月餅の広告がありましたっけ。
Sn390237そんなことを思い出しながら、月餅探訪を諦めかけた頃、お世話になっているNさんから月餅をいただきました。
流石に北京を知り尽くしたNさんのセレクトは違う!おいしい月餅でした。
こちらは、餡の中に卵が浮かび…ご覧下さい。
夜空に月が浮いているように見えるでしょう?
ああ、だから「月餅」というんだ!とようやく気づいた始末。
やっとおいしく月餅がいただけました。
先日求めたばかりの中国茶・黄金桂烏龍茶とも相性が良く、お茶のひとときを過ごすことができました。

続いて北京出身のRさんご夫妻にいただいた、北京烤鴨の人気店・全聚徳の月餅が発端となって、私は自分の犯した大きな間違いを知るとともに、目からウロコを落とすことになったのでした。

Sn390234Sn390238やはり、北京をよくご存知の方がお使い物になさるものは、おいしい、と思っていただいていたところ。
中は小豆餡ベースなのだけど、貝柱とおぼしきものが入っていて、月餅の表面には「火腿瑤柱」と刻印が目に入りました。
火腿=中華ハム。ということは、ハム味???
はたと思い当たって、箱を開けてみたら、なんと全部違う味が!
ちょっとサイズの大きいものが「豆沙松仁」「紅蓮純正」「蛋黄純白蓮」、それより小ぶりのもの(上記の火腿瑤柱もこのサイズ)「蓮蓉黄金」「藍梅」「香芋粒粒」「豆蓉玉米」「蓮蓉橙丁」「五仁火腿」「黒麻蓉」。
それでさらに、Nさんからいただいたものを再度見直してみると、こちらも全部違う味!
上記のものは「蛋蓮陶陶居」。他に「棗泥陶陶居」「豆沙陶陶居」「五仁陶陶居」(お店の名前が陶陶居というらしい)。
まさか…と思って、一番最初のお茶屋さんのものをじっくり見直してみると、どうやらこれも3味入っている様子(しかもパッケージには、さすがお茶屋さん、ベスト・カップリングのお茶の銘柄までプリントしてありました)!
食いしん坊としては、目がキラキラしてしまいました(笑)。
月餅の神様(?)、たとえ一時でも「月餅はあんまりおいしくないのかも」なんて思ってしまって、ごめんなさい。
中国の人々が食にかける情熱が、垣間見えたような気がいたしました。

漢字のお陰で、なんとなく味の想像がつくものも。
「藍梅」は、その名の通り青い梅が小豆餡に練りこんであって、とっても香り高くておいしい。
「紅蓮純正」は、蓮の実+小豆餡でしょうか、木の実(蓮は木じゃないですが…)のナッティーな感じがします。
「黒麻蓉」は、黒胡麻たっぷりで香りよく、時に胡麻の粒粒の歯ざわりも楽しい月餅。
いくら食い意地がはっているとはいえ、さすがにいっぺんに全部食べきれる量ではないので(笑)、ゆっくりいただこうと思っているのですが、おいしいお味を覚えて、帰国後、横浜中華街に出かけたら、売っている月餅の中身もぜひチェックしてみようと思います。

そういえば、漫画『マスター・キートン』の中に、月餅のエピソードがありましたっけ。
日本に隠れ住んでいた時代に毛沢東が作り方を伝えたという、干し柿を加えた月餅のお話でした。
お話がフィクションか、事実を基にしたものかませんが、今のように豊富な中華材料もない時代の日本のこと。
きっと毛沢東はいろいろ試行錯誤して月餅を作ったことでしょう。
日本で食べる月餅と中国での月餅のこれだけの差を思うと、ようやく出来上がったものも気に入ったかどうか。
秋風涼しく、清かな空に浮かぶ月を見ながら思う月餅は、きっと、なんとも郷愁をそそるものだったに違いありません。

ところで、日本で手に入るおいしい月餅の筆頭は、新宿中村屋の本店限定販売の月餅。
「王味月餅」といって、木の実や果実が入っているのです。
四川先生のお父様の好物で、一度いただいて以来お気に入りに。
以前問合せたら、本店から発送もしてくださるそうなので、お取り寄せやご贈答に良いかもです。

月餅、ひさびさに食べてみようかなぁと思った方、ぜひ今宵は中華風のお月見を!

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September 24, 2007

四川先生とおにぎり。

四川先生が高熱を出して、寝込んでしまいました。
ここのところお仕事関係のイベントが目白押しだったことに加え、季節の変わり目の急激な温度変化や、きっともろもろの累積疲労も手伝ったことでしょう。
時々風邪はひいていましたが、39℃を超える高熱を出したのは、結婚以来始めてです。
幸いなことに、食欲は旺盛なようなので、いっぱい食べて、薬を飲んで、いっぱい寝て…というスタンダードな養生で現在療養中。

ところで、私もそうでしたが、こういう体調の悪い時は、なぜか味噌おにぎりが、とてもおいしい。
こちらでも日本の味噌が手に入るので、重宝しています。
3度の食事の合間に、おにぎりを1個2個食べてくれるので、せっせとおにぎり作りに励んでいます。
そうすると、こっそりキッチンに忍び寄る小さい影から「はるも、おにぎり!」の声が(笑)。
なんでも大人と一緒がいいんですね。
自分で「ゆかり」「菜めし」などお気に入りのふりかけを持ってきて、「はる、ゆかりー」と差し出されるのもなんだかほのぼの。

寝ている四川先生の枕元に、おにぎりと一緒に野菜ジュースをそっとおそなえしているのは、はるなりの優しさでしょうか。
そんな優しい息子を尻目に、私は「うつされちゃたまらん」と、家の中でずっとマスクを着用中です(なんせ妊婦は、薬が飲めないので)。
誰にもうつらずに、四川先生の風邪が早くよくなりますように。

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September 23, 2007

柔らかさに脱帽。

こちらに来てから、どこの中華料理店に出かけても、お肉の柔らかさには驚かされるばかりです。
ふわっと柔らかで、ジューシーで、肉自体の旨みに料理の旨みが加わって引き立てあっている。
そうじゃないお肉の入った料理というのは、食べたことがありません。
四川先生に「こんなに柔らかくておいしいお肉って、すごいね!」と言うと「ああ、そうだよね、言っちゃ悪いけどママの作るお肉は硬いよねー…」と遠い目をされてしまいました(苦笑)。
彼が根っからの中華料理信奉者なのは、このお肉にも秘密が隠れていそうです。

さて横浜から、北京出身のRさんとご主人の上海出身のKさんがご帰省中とのことで、北京をご案内いただくことになり、またも琉璃廠へ出かけてきました(前回のリベンジで、印鑑をオーダーに!)。
ご主人も日本の大学院にご留学中で、横浜中華街で貿易会社でアルバイトをなさっているそう。印材について、それから私がとっても興味を持った鼻煙壷などにもお詳しく、とても楽しいお時間を過ごさせていただきました。
中国の人たちは、結婚してもお互いに姓が変わらないのだそう。
13歳の年齢差がおありだということで(このくらいの年齢差は中国ではごく普通なのです)、とても仲のいい、素敵なご夫婦です。

印鑑ができあがるまでゆっくりいただいた北京料理。
老北京民族酒楼、というお店でのお食事でもまた、目を見張る品々にめぐり合いました。
Sn390222ピリ辛味のきゅうり桂むき酸味サラダ、蓮根にもち米をつめた少し甘みのある冷菜、中華版エルブ・ド・プロヴァンス(ミックスハーブ)をつけていただく羊肉の冷製、青菜(中華野菜)の炒め物、辛味のあるおからの一品、蓮の葉に包まれたお肉料理、カボチャの中に入った(!)中華版スペアリヴ、とうもろこしのあげパン、鶏肉のジャジャ麺などなど。
そのどれもが、おいしいこと!
そうだ!と思いたち、Rさんに、中華料理のお肉の柔らかさの秘訣を伺いました。
弱火にして20分くらいじっくり焼いたり、蓋をしたり、料理によっていろいろな方法をとるのだそう。
そういえば「中華料理は火力を知り抜くことが一番大事」と、漫画『美味しんぼ』で読んだことを思い出しました。
今住んでいるマンションのガス台には、4つガスコンロがあるのですが、そういえばどれも火力が違います。ひとつには五徳がついているし、手前の2台は火力が一番強いものと、一番弱いものが据えられていて、Rさんのお話を伺ってなるほど、と納得がいきました。
食材の性質を見極め、それに適した火力+加熱時間を制するのが、「やわらかいお肉」、ひいては中華料理全般のポイントのようです。
ちなみに先日疑問に思った東坡肉と紅焼猪肉の違いも、Rさんによれば「肉の部位」「味」の違いだそう。つまりは別料理のようです。

「中国人は、食が一番大事なことです」とは、ご主人Kさんの言。
まったく、本当にその通り!食にかける情熱と探究心には、脱帽です。
昔の人気番組「料理の鉄人」でも、中華の鉄人・陳健一は、負け知らずだったよな…と四川先生と頷きあいました。

Sn390221Sn390225蓮の葉に包まれたお肉料理は葉の清廉な香りが食欲をそそり、お肉はもちろん箸でも千切れるほどの柔らかさ。はるもモクモクいただきました。それにカボチャ入りのスペアリヴは見た目のかわいらしさにも目がハート。小ぶりのカボチャは、ハロウィンのジャック・オー・ランタンを思わせる、秋らしい一品(季節料理じゃないかもしれないけれど?)。こちらもたっぷりとお肉のおいしさを引き出す、とっても素敵なお味でした。
ああ、中華料理って、なんて素晴らしいんでしょう!

このお肉の柔らかさ、なんとしても身につけたいものです。

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September 22, 2007

玄妙なるスープ。

Sn390209昨日に引き続き、JADE GARDENでのお食事を。

この日一番私達を驚かせたのが、玄妙なる味わいの、スープ!
貝柱と豆腐の、ごくごくシンプルなスープだ。
バケツ大のボウル(4人分のサラダボウルくらいの大きさ)に入って出てきたスープを見た時も驚いたけれど、一口、二口…と匙を進めるごとに、味わいがしみじみ増していく、摩訶不思議なスープ。
最初の一口目は、正直なところ、「ちょっと薄味かしら」などと言っていた。
それが、二口目、三口目と続くうちに、その味わいがしみじみと体中の細胞に染みわたっていくようで、結局そのバケツスープを3人で飲みきってしまったほど。
材料は、至ってシンプル。
干した貝柱と、そうめんよりも細い麺状の豆腐と、髪の毛のように細い香菜(シャンツァイ、西洋名はコリアンダー)。信じられないが、たったそれだけ!
(もちろん、目に見えない材料の可能性もある。干した貝柱だけじゃなく、火腿スープも加わっているのかもしれない。それは今後の研究課題としておこう。)
スープには少しとろみがついていて、そのお陰で時間が経ってもまだ温かい。
まだ大して中華料理を知っているわけではないが、これぞ中華の真髄、というような気すらした。
もし可能であれば、これもぜひ作り方を覚えて、家で作ってみたい一品だ。

中華料理を食べ歩いていると、「家で作りたい」と思う品は、結構多い。
しかし、私は食いしん坊を自負し、そこそこ料理についての知識も好奇心もあると思うのだけど…こちらで食べておいしい!と思う料理は「一体この味は何?」と悩むことが多い。
中華料理の調味料も一通り試して大方の味の特徴はわかっているはずなのに、いざ料理として出てくると、それぞれを構成している調味料がまるでわからないことが多いのだ。
全体としてとてもおいしく仕上がっているこのバランスは、とてもじゃないが一朝一夕に真似できるものではない。
中華「風」の料理は作れるかもしれないけれど、中華料理と中華「風」料理の間には、大きな隔たりがある。
本格中華料理(とくに家庭料理)を、作ってみたいなぁと思った。
今度本屋さんに行って、レシピを探してみよう。

Sn390210Nさんオススメのデザートは、こちら。
ちなみにこのお店、メニューは中国語/英語/日本語で書いてくれていて、とても親切。
しかしときどき怪しいものもあって、このデザートは日本語名は「ブドウのシロップ」と書かれている。
だが、英語ではMango sirop with ...と書かれていて、どこにもブドウは出てこない。
ちなみにこのデザートは、マンゴーミルクにタピオカとグレープフルーツが入っているものなのだけど、マンゴーにグレープフルーツを組み合わせるという発想がまたすごい。
モチモチしたタピオカの食感とサクサクしたグレープフルーツ果肉の食感、滑らかに喉をおりていくマンゴーミルク。
まさに食感の愉悦。
(これもぜひ、自分でも作ってみたいと思うのだが…)

しかし、中国の食文化って、本当にすごい!
ところでこのお店、あとから調べたら美味しくて有名な人気店だったらしい。
(とても気がきくイケメン店員がいるのも、もしかしたら人気の秘密かも?)
近いのをいいことに、この店のメニューを食べ尽くす勢いで通おうと思っている。

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September 21, 2007

お肉とおこげと。

書いていたらとても長ーくなってしまったので、二日に分けてご紹介します。
Sn390206歩いて5分もかからないところに、デザートがとてもおいしいよ、とNさん(こちらでとてもお世話になっている企業経営者の方)から勧められた中華料理店JADE GARDENがある。
蘇江料理というのだろうか、南の方の料理だ。
七月末に極楽三十路堂の面々が北京に遊びに来てくれ、その際に私達も知ったお店なのだけど、「家から近いから」という理由だけで特に期待もせずに出かけたのだ。
お店の内装がまた素晴らしいのだけれど、それはまた別の機会にゆっくりお話することにする。
(なんせ、すごいのだ!カルティエのオイルライターコレクションが、壁に埋め込まれて陳列されていたりするのだから!)

この日注文したメニューは、
*インゲンの炒め物
*豚肉と鶏の卵の煮物
*五目おこげ
*貝柱と豆腐のスープ
*鍋貼餃子
*マンゴープリン
*マンゴーシロップ
*カスタードタルト

「インゲンの炒め物」については、後日じっくりとこの魅力(と調理法、調味料など)を解剖しようと目論んでいるので、今日はあえてお話ししないでおこう。とにかくおいしくて、ぜひ家で作りたい!一品であると申し添えておく。

Sn390207次なる「豚肉と鶏の卵の煮物」、豚の三枚肉の煮込み、すなわち日本で呼ぶところの「トンポーロー」ではないかと思われるのだけど、メニューには「東坡肉」ではなくて「紅焼猪肉」となっているので、もしかすると違う料理なのかもしれない。
(ちなみに「紅焼猪肉」は毛首席が愛した料理だと聞く)
お肉には、豚の皮の部分もついていて、プリプリである。赤身の部分はやわらかく、脂の部分はジューシーでプルプルしていて、どんな部位にも味がよーっく染み込んでいるのに驚かされるばかり。
色は濃いけれども、お味は決して濃すぎず薄すぎず、同じ汁で煮込まれたゆで卵もまたおいしい。
はるが卵好きだからと頼んだ一品だったのだけど、親の方が熱心に食べるものだから、はるがそのうち「はるも!」と怒り出す始末。
次回はこの品をひと皿テイクアウトして、家で白ごはんにかけて食べたい…と野望を燃やしているところだ。

Sn390208そして、おこげ。
これまた、「サクサクするからきっとはるが食べるよー」と注文したにもかかわらず…その先は言わずもがな、ですね。
日本でおこげを食べた経験がないので、味を比較することはできませんが、ほどよく香酢がきいた五目あんかけ(什錦)で食べるおこげ、ニンジンは蝶の形に美しく細工してあったりして、感動モノ。
揚げ物なのに、とってもサッパリいただけて、青梗菜にきくらげにニンジンにお肉にお魚に…といろんな具が楽しめるのも嬉しい一皿だった。

さてこれら、最初の写真でおわかりいただけるように、四川先生の握りこぶしに比べて、一皿のなんと大きいこと…私達のウエストが、日に日に膨張している様子も、きっと皆様ご理解なさることでしょう。

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September 20, 2007

モンゴル式火鍋。

四川先生がモンゴルに旅して以来、彼の口から「食べたい」という言葉が出る筆頭料理が、モンゴル式火鍋。
琉璃廠へ連れて行ってくれたCくんの案内で、念願のお店に出かけました。

火鍋は、北京式、四川式、内蒙古式など、いろいろな種類があるのだそう。
モンゴル式では、赤いスープ、白いスープ、またはそのふたつを選んでいただきます。
食べ方はしゃぶしゃぶ同様。
この中にお肉や野菜をいれて食べるのですが、スープに既に味がついているので、そのお味で楽しみます。
Sn390158四川先生たってのご希望で、二色の鍋をいただきました。
紅白の鍋は鴛鴦鍋というのだそう。
鴛鴦、難しい字ですが、おしどりのことです。
日本でも仲のいい夫婦を「おしどり夫婦」と言ったりしますが、中国では、対になったものに鴛鴦と名づける習慣があるのだとか。
ご想像のように、紅いスープの鍋、辛いです。
スープの中にぷかぷか浮いているのは、漢方薬だそう!
朝鮮人参や木の実、クコなど、いろいろなものが入っています。
だから、体にとても良い、薬膳鍋でもあるのだとか。
(実際、私はこのお鍋を食べて以来、満足感が24時間以上持続して、その後空腹感をまるで感じませんでした。食後の満足感が、ずうっと尾をひいているような、不思議な感じなのです。体中の栄養が全て満ち足りたような感覚とでも言うのでしょうか。全く、不思議な体験でありました)

Sn390160しゃぶしゃぶにする具は、羊肉、牛肉のほか、牛の胃袋各種など珍しいものも見られ、ほかに魚肉団子、豆腐、葉野菜(青菜、キャベツなど)、じゃがいも、きくらげ、しいたけ、春雨などたくさん。
テーブルと同じ高さの、3段の棚に、ずらずらと大皿が並べられ、それでも足らずに続々とお肉が運ばれてくる様子にはびっくり。
しかもお肉、こんなふうに、丸めてあるのが目にとても美しいです。
(中国でしゃぶしゃぶというと、お肉がこんな風に丸めてあるのをよく見かけます。なんでかしら?)

Sn390161最後には、雑穀でできた麺をいれて食べるのだけど、これが四川先生のツボにぴったりとはまってしまいました。
Cくんの談によると、彼は週のうち5日~6日ここに通っていたというほど、このお店のファン!
また中国人留学生の間で、帰省の際に頼まれるのがこのお鍋の調味料なのだそう。
流石にこれは、日本では手に入らないらしく、必ず頼まれるのだとか。
調味料はスーパーなどでも売っているとのことで、私達も早速翌日入手しました。
「清(白いスープ)」
「微辣(ちょい辛;これも紅いので、微かどうか、怪しいところ)」
「辣(辛い;紅いスープ)」
の3種類の調味料が売られていました。
ちなみに、その日も四川先生は「清」味のスープに麺を入れて、とっても喜んで食べていました。
家についてから急遽の「食べたい…」のご要望に、お肉はビーフジャーキーを細かくしてふやかしてみたり(笑)、日本から送ってもらった乾燥野菜を煮込んでみたり、雑穀麺のかわりに蕎麦を煮てみたり、いろいろ代用しつつの鍋でしたが、それでも先生は喜んでくれた模様。
どうやら、すっかりハマッてしまったようです。
もしかして、思わずハマッてしまう薬効成分が、含まれているのかも?
とてもおいしいので、これはぜひ、食いしん坊さんへのお土産に!と考えているところ。
帰国する11月以降、ちょうど鍋には良い季節になることだし、鍋好きな人にはぜひ、お持ちしたい一品です。

ところでこの日連れて行ってもらったお店「小肥羊(シャオフェイヤン)」は、池袋にもお店があるそうなのだけど、日本では高くてなかなか通えないとのこと。
日本のお店にあるかどうかわかりませんが、デザートにいただいたおいしいお品もご紹介しましょう。
Sn390166山棋子(さんざし)のゼリーです。
甘酸っぱくて、果実たっぷりのジャムをそのままゼリーにしたような感じ。
山棋子は女性にとてもいい薬膳食材でもあり、一人占めしてたくさん頂いてしまいました。

ちなみに、その日以来、うちのキッチンからこの鍋の調味料が消えた日はありません。
昨日も四川先生は、お仕事での外出のついでにたっぷり「小肥羊」で火鍋を楽しんできたとのこと。
きっと帰国の際は、この調味料を抱え込んで帰ることになるでしょう。

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September 19, 2007

北京烤鴨。

Sn390193今日は自慢をします。
エッヘン。
今日から数日間、食事前の方は、食後までこの記事を読まないことを、おすすめします。
北京のオイシイ話、まずは名物「北京烤鴨(ベイジンカオヤー)」すなわち、北京ダックから始めましょう。

正直なところ、私は日本で北京ダックを食べたことが1度か2度しかありませんでした。
緊張の中でテーブルを囲む場だったためか、味はあんまり覚えていません。
皮に北京ダックとソース、きゅうりか何かを挟んで、ただモクモクと盲目的にいただいたように思います。
そんなわけで、北京での楽しみにしていたことのひとつは、「北京ダックをたらふく食べる」ことでした。

度々四川先生から聞かされていた中国の、北京の、おいしい料理の話。
いざ自分の舌で確かめられる段になり、まずリクエストしたのはもちろん、カオヤーです。
北京には、庶民向けからセレブ向けまで、さまざまな北京ダック店があります。
春先にBRUTUSで特集された北京ダック店をいくつか、それに地元北京の方からオススメいただいたお店などで、何度かダックをいただく機会がありました。

日本での食べ方をよく知りませんが、なんとなく「北京ダックは皮だけ食べるもの」と思い込んでいました。
しかし本場では、丸ごと食べます。
皿に盛られた状態ではなくて、鳥が丸焼きにされた状態で、近くまで運ばれてきます。
そして専門のシェフが、見事な包丁捌きで、ダックを美しく分解していくのです。
Sn390194ごらんください、この色とテリ!
これが1/2匹です。
皮の下には、二段くらいの肉(肉のみ&皮付き肉)が、敷き詰められています。
ちなみに皮の表面はパリパリで、裏にはうっすら脂がついています。
はるはこの皮がすっかり気に入ってしまい、ひとりで1/2匹分くらい食べ尽くします(最初の写真で食べているのも、ダックの皮です。サクサクなところも、お砂糖つきで甘いのも、はるの好みにぴったりなのです)。
私達は(もしかすると食べすぎかもしれませんが…)二人で、ダック1匹をまるまる食べます。
お店にもよりますが、価格は大体1匹で1500円~3000円弱くらいでしょうか。
鳥肉好きの私には、ことたまらない、恵まれた環境と言えましょう。

ところで、北京ダック専門店に行くと、大体このような付け合せが一緒に出されます。
Sn390195写真手前左の小皿から、砂糖&にんにく、ネギ&甜面醤、写真奥右がきゅうりと紅い大根(?)、きゅうりの漬物2種です。
それぞれダックと一緒に皮に包んで食べるものなのですが、あるお店で伺ったところによると、北京ダックには3種類の食べ方(作法?)があるのだそうです。
0;表面の皮は砂糖につけて食べます。ダックを食べる前菜のようなもの。
1;最初はオーソドックスな食べ方。ダックに甜面醤をたっぷりつけて、ネギを挟んで食べます。
2;次は味がいいもの。ダックににんにくをつけて(甜面醤はお好みで)、きゅうりと紅大根を挟んで食べます。
3;最後は、口をさっぱりさせるもの。ダックと、きゅうりの漬物をいれて食べます。
といっても、結局好き好きに食べていますけれど、食べ方を知っているとなんだかちょっと「ツウ」な気分です。
巻き方にもコツがあるそうで、円形の皮を手のひらに広げ、具は大体上の方に乗せます(手と同じに垂直に)。そうすると具がこぼれ落ちてこないのだそうです。

さて、ダック屋さんではこんなものも出されます。
Sn390197何か、おわかりでしょうか?
ダックの、アタマ(を半分にかち割ったもの)なんですよ!
手でもって、こそげるように食べるのだそうです。
それから、たぶん肉を削いだあとの骨でとったと思われる、白濁したスープも出されます(これは独特のにおいがあって、私達はあまり得意ではありません)。

ひとくちに北京烤鴨と言っても、お店によっていろいろな特徴があるのが面白いです。
写真のお店は、日本人のマダムが北京人のご主人と経営していらしゃるお店。あっさりしたお味が特徴でした。
他にも、北京一焼き時間が長く、皮がパリパリ…というお店とか、押しも押されぬ人気店とか。
日本ではきっと食べられない料理のひとつ(食べられたとしても、高級品すぎる一品!)なので、贅沢ながら今のうちにいろいろと食べ比べようと目論んでいます。
ただひとつ、気がかりなのが――自分の皮の下にも、カオヤーよろしく脂がこってりついていきそうなこと。
妊婦太りなのか単なる脂肪なのか、怖いので詮索はしないでおきましょう。

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September 18, 2007

みつろう粘土とぶたぶたくん。

Sn390199親友が、はるに絵本とみつろう粘土を送ってくれた。
絵本は、『ぶたぶたくんのおかいもの』。
初めて読んで以来はるのお気に入りになり、今では毎日、昼寝前と就寝前に必ず「う・あ・う・あ・うん(ぶたぶたくん)、よんでー」と言って持ってくる。
眠るのを嫌がる時も、「じゃあ、ぶたぶたくん読もうか」というと、すんなり承諾するようになった。
こぶたのぶたぶたくんが初めてひとりでお買物をする、という内容なのだけど、からすやこぐまのお友達(おそらくは、一足先に「ひとりでお買物」を経験した頼もしい先輩たち)と一緒に、楽しくつとめあげるという内容。
ただ物語が語られているだけではなく、読んであげる楽しさまで研究された本で、たとえば声の大きさやスピード、色の表現、ストーリー以外の風景に書き込まれていた伏線…などなど、子どもと親の会話の楽しさまでを追及してくれているような、楽しい絵本だ。
ぶたぶたくんや、友達の短い台詞は、はるは自分で言わないと気がすまないほど、大好きな一冊になった。
それに大人としては、ちょっとシュールな「かおつきパン」が気になるところで、パン屋の店先に並ぶ「かおつきパン」と、かごに入れられた後も、パンの視線が自在に変わっているところが、なんともたまらない。
大人も子どもも、本を読む楽しさを再確認させてくれる、そんな絵本なのだ。

結局自分の本はたんまり持ってきたくせに、はるのそれは本当に少なく、「北京には日本の絵本屋さん(フレーベル館)があるそうだから」と言いながらもなかなか出かけずに、ついつい以前から愛用しているWeb上の絵本図書館「おはなし絵本クラブ」に頼ってしまっている。
そのほかは、実家から送ってもらっている「こどもちゃれんじ」の毎月のおはなし絵本一辺倒だ。
そんな中、久しぶりに自分でページをめくる楽しさは、格別だったよう。
はるばる北京にまで、絵本を贈ってくれた彼女に感謝!
それに私達としては、はるが既に本好きに育っている様子が垣間見られたことが、嬉しいことこの上ない。

Sn390200さて、一緒に送ってくれた「みつろう粘土」、私もはるも、初めての体験。
まずは板状の粘土を指先でこねて温めてから造形に入るのだけど、体温で温められた粘土からはとってもいい香りがして、私の方が熱中して作ってしまった。
はるのリクエストにより、まず二人で「てんとう虫」を作った。
「じゃあねー、はっぱ!」という要望にお応えして、次はふたりではっぱを作った。
こども要求というのは果てしなく続くもので、「バッタ!」という声にまでは反応したものの、その先は後日に譲ることに(許せ、息子よ。母は怠惰なのである)。
本当をいうと、私がバッタのディテールに凝り過ぎて(羽はほどよく透けていなくちゃ!とか)、はるが飽きてしまったというのも、ある。
発色がきれいだから、と親友は勧めてくれたのだけど、確かに!
それに、作った後は硬くなるので(もちろんまた指先でこねれば柔らかくなる)、お人形のように遊べることも、はるには嬉しかったようだ。
ちなみに、はるに飽きられてまで凝ったつくりのバッタだが、四川先生は「なまなましすぎて、なんか嫌」と言って正面視してくれない、無念。

ちなみにてんとう虫ブームは、北京についてすぐにTOYOTAの「ファーブル教授のスケッチ」を見つけて以来。
ヴァーチャルな知識から、リアルな体験へ。

彼女から、子どもと一緒に楽しみを広げる時間を、一緒にプレゼントしてもらったようだ。

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September 17, 2007

胎動が始まった?

先週の中ごろでしょうか、気づくとお腹の中でなにかが移動していく感覚がありました。
夜寝る前や、一休みにごろんとソファに寝転がった時に、ぎゅぎゅぎゅーと内臓の内側が移動していくような感覚。いわゆる胎動が始まったのかしら、とうすぼんやり思いました。
体調不良(腸の不活性とか)で感じるのとは、ちょっと違った感覚です。
一度経験しているはずなのにと思って、おぼろげな記憶をたどってみると、そういえば、はるの時も、胎動のはじまりってあまりよくわかりませんでした。
とはいえ、母子手帳の記入欄には「胎動をはじめて感じた日」というのがしっかりあって、みんなそんなにはっきり「動いた!」ってわかるものなのかしら、と驚いたものです。
いや、私が単に鈍いのかもしれませんが。

胎動というのは、なんというか自分の意思や、体の感覚に反して、突然意表を突いて中から圧迫される感覚です。
それによって、お腹に異生物が棲みついているんだなぁと思うわけなのですが、私がそんな説明のしかたをすると、胎動を感じることのできない四川先生には「クリッターって映画あったでしょ、異星人が人間の体内に棲みついて、食い破って出てくるっていう。あんな感じ?」などと、なんだかものすごい喩え方をされてしまうのでした。
男性の皆さん、胎動は決してそんなホラーなものではありません。

ここに至るまでには心配もあったものの、胎動が感じられるようになると、とりあえず生存がわかりやすく確認できるので、ひと安心です。
病院への通院も、月に一度になり、とっても楽ちんになりました。

さて、その病院、先日日中妊婦検診比較で少しお話をしましたが、それ以外にも面白かったことがあったので、ご紹介します。
Sn390189写真は、病院内の売店です。
右側のガラスケースの内側が、私の興味をひいたもの。
コーンスープや、大きな蒸篭(中にはマントウが!)など、温かな軽食が販売されているのです。
他にも、お昼時になると院内の数箇所に突然出現するお弁当屋台(残念なことに撮影失敗!次回挑戦します)などもあって、患者/職員の区別なく、それぞれ温かなお食事を買って食べているのでした。
実際、私達がのろのろ歩いていたら、ほんの少し前に診察してくださった担当の先生が、なにやらやりとりの後、お弁当を買い求めてにこやかに去っていきました。それに、病院のPRとおぼしきガラスケースの上に、屋台で買ったお弁当を広げて、おしゃべりしながら食べているお姉さん方の姿も(片方は白衣だったので、職員さんでしょうか)。とってもおおらかです。

Sn390190病院を一歩でると、道端に座り込んでいる人たちを大勢見かけます。
彼らは、どうやら、看病客相手の宿泊斡旋のよう。
「宿;○○日/いくら」という紙札を足元に立てて、座っているのです。
この場所では、リヤカーにてんこ盛りされたフルーツ売りや、珍しいところでは蓮(花ではなく、その後のタネの入っている部分)を新聞紙の上に広げて売っている人の姿も見かけたことがあります。
病院内ではさすがに問題があるらしく、門を一歩出たところにみんなどっかりと腰を下ろして、談笑などしつつ、お客さんを待っているのでした。
日本ではなかなかお目にかかれない、なごやかでおおらかな、面白い風景です。
こういう寛容さは、中国特有の、素敵なところかもしれません。

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September 16, 2007

ポップアート発見。

昨日もご紹介した琉璃廠。
ここでちょっと気になるものに遭遇。
「庶民的」な西側の一角でのひとコマです。
Sn390169パーティションに吊り下げられているのは、油彩の数々。
琉璃廠にはギャラリーも多いのですが、扱いからいっても随分と庶民的なお値段なのでしょう。もしかすると画学生の作品なのかもしれません。
描かれているのは、伝統的な中国建築・四合院造りの門構えや、仏像の頭部、昔ながらの北京の街並みでしょうか。

さて、そこに通りかかった自転車のおじさん。
彼の目にとまったものは…
Sn390170なんだかポップな、しかし政治的メッセージの込められている様子の印刷物!
グラフィカルな2色刷りが、たまりません。

そういえば、「ポップアート」という言葉って、大衆向けに量産されたアートの意味だった…と美術検定受検時の教科書の一節を思い出しました。
チャイナポップ、まだまだいろんな場所で、出会えそうな気配です。

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September 15, 2007

しみじみ素敵な街角。

北京で一番に行きたかった場所――琉璃廠(ルーリーチャン)。
ここは骨董と文房具の街なのだという。
昔、文具を文房四宝と呼んだけれども、文筆に憧れるものにとって、文具と言うのはやはり神聖でかけがえのない宝。ここでは主に書道をする人のための、硯や筆、墨、紙などを扱っているのだけれど、見て歩くだけでも楽しい町並みなのである。

琉璃廠は、大通りを挟んで東街と西街に分れ、ストリート一体(かなり長い)が全て文具(または骨董)店という、夢のような街。
あくまでも個人的な印象だけれども、西は庶民的で、東は主に高級店が軒を連ねている様子。例えば日本からの観光客が出入りするのは、もっぱら東側だ。
今回ここを案内してくれたCくんは、生粋の北京っ子。
日本から帰省していた彼は、琉璃廠のすぐ近くに住んでいたそうで、界隈にも詳しかった。
先日ちらりと書いた、四川先生ご執心のモンゴル式火鍋店に出かけ、その後ここに連れて行ってくれた。
その、地元北京っ子である彼も、東側には初めて足を踏み入れたそう。
事実、店の規模や設えは、西と東では違った印象があった。
たとえて言うなら、食堂とレストランの違いのようなものだ。

Sn390168琉璃廠は、外国人にとても人気のある場所なのだそうで、キョロキョロ見回しながら歩く私はすっかりカモと見破られ「こんにちはー」と日本語で声をかけられることもしばしば。
Cくん曰く、日本人は雰囲気でわかるのだとか。
にしても、四川先生はさすがと言うべきか、中国にすっかり馴染んで(?)日本語で声をかけられることもない。

夕方に訪れたため、ほとんどのお店の閉店と重なってしまったのが悲しいところ。
17:30に閉まってしまうお店が多く、開いている店はわずか。それも悠長に見ている間に、軒並み閉まってしまう。
この日、ハンコを彫ってもらおうとわくわくした私はちょっと残念ではあったが――そのかわりに、閉店時ならではの素敵な光景に出会うことに!
Sn390171おじさんが、書道の見本のようなものを片手に、道端に字を書いていた。
手に握られた大きな棒のようなもの、なんと筆!
水を墨代わりに、字を書いていく。
夕方とはいえ暑い北京、水は数分ももたずに、蒸発して、文字の形を失っていく。
そこにおじさんは、また別の言葉を筆から生み出していくのだ。
おそらく琉璃廠ならではの、ほんのひとときのインスタレーション。
こんな夕涼み、風流ではありませんか。

琉璃廠がすっかり気に入ってしまった私たち。
また別の機会にまたゆっくりと、ここを探検してみたいと思います。

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September 14, 2007

イボとビビ。

Sn390117さて、あれだけ言葉が出ないと心配していたはるですが、北京に来て以来、流暢にお話ができるようになりました(因果関係は謎ながら…環境の変化がもたらしたワザでしょうか?)。
こども特有の、自分の言いたいことだけ言うスタイルは貫き通していますが(笑)、随分心配していた私達はちょっと安心です。
話しはじめた頃はどの言葉も母音ばかりだったのが、近頃は子音の数も増えてきて、ずいぶん文章らしい文章になってきました。
話しはじめて2~3日で2語文になり、今では3語以上の文章になってきたのも、はるらしいといえばはるらしく、会話ができるようになってきたのも、嬉しい限り。
時折、朝に「ママ、そろそろおはようしよっか」と起こされたりすると、息子の成長振りがまぶしい限りなのでした。

そんな中、怪しい「はる語」もまだまだ健在です。
最近、一番わからなかったのが、「イボ」。
ちなみにアクセントは「イ」の方にあります。
イボイボ言う息子に手を引かれて、辿り着いた先には、ディズニー映画「ファインディング・ニモ」の「ニモ」のTシャツがありました。
(「ニモ」も、「イボ」になると、かわいらしさが消える気がするのは私だけ…?)

それから「ビビ」。
これは、耳のことでした。
(どうも、発音する時に、マ行がバ行に変換されるらしい。そういえば、近頃はなくなりましたが、私も一時この若いみそらで「ババ」と呼ばれていました。)
イアホンも「ビビ」です。

そういう怪しい言葉も、ある日突然、ちゃんと直ったりするのが面白いところ。
今のところなぜか「はーはーしん」になってしまった「しんかんせん」が、いつ直るかが楽しみです。

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September 13, 2007

モンゴルな日々。

八月の半ば、四川先生がモンゴルに行ってきました。
私とはるも楽しみにしていたものの、さすがについてはいけず、お土産話を楽しみにお留守番です。
モンゴルに帰省中の学生さんたちと一緒に、1泊2日の短い滞在でしたが、先生、なかなかに楽しい時間を過ごした模様。
モンゴル式火鍋に舌鼓を打ったり、
砂漠に行ってラクダに乗ったり、
羊の群れ(かわいい子羊がいたそう!)をみたり、
モンゴル式宴会をしていただいたり、
馬で草原を走ってみたり。
帰りにはお土産に素敵なものをたくさんいただいて帰ってきました。
モンゴル式の刀とか、モンゴル版ビーフジャーキーとチーズ、牛乳茶や牛乳の湯葉のようなもの、羊のぬいぐるみに、私にはアクセサリーまで、とにかくたくさんの宝の山とともにご帰還です。
そのお土産と、四川先生の話からイメージするモンゴルの旅、聞いている方もうきうきするような内容です。

モンゴルの刀は、小さい頃に読んだシンドバッドが持っていたような、先がカールした刀!
先生はこの刀で実際に羊の肉を切りさばく体験までしてきたそう。
刀身に施されたデザインや、柄のところの山羊(?)のレリーフが素敵です。
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はるがすっかりお気に入りになって、枕元に置いているのが、羊のお人形。
(本当は角がもっと外側に伸びていたのですが、はるの目にささるのが怖くて、半分ほどの長さにカットしました)
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それから…私がとっても気になったのが、モンゴル食材!
ビーフジャーキーは、まるで木の枝のような風体で、日本でも近頃手に入るようになった米国版のものとはちょっと違う印象です。もっと素朴な感じ、とでも言えばいいでしょうか。
驚いたことに、このビーフジャーキー、2切れも食べると、お腹がいっぱいになるのです。
お腹の中で元の大きさに膨れているのでしょうか?
力がみなぎってくるような感じさえします。
鎌倉時代、二度の元寇がありましたが、あのとき神風が吹かなければ日本は負けていたろうな…と、この肉を噛み締めながら思わずにはいられませんでした。
兵糧といって干した米を食べているのと、こんな肉を食べているのとでは、力の差は歴然です。
Sn390128
 
 
 
右上から、牛乳の皮(湯葉状のもの)、牛乳茶の粉末、モンゴルのチーズです。
チーズとは言っても、巨大な水切りした後の木綿豆腐のような感じ。
写真に映っているもので大体、ティッシュ箱2つくらいの大きさです。
食べた感じは、ほろほろして、独特のにおいがして、ほんのり塩気、やや酸味があります。
輸入チーズ売り場でみかける、ギリシャのフェタチーズに似た食感・味でしょうか。もっとも、フェタはオイル漬けになっていて、こちらはオイルに漬けられていないという違いはありますが。
ずっしりと重くて、素朴な感じのする食べ物です。
牛乳の皮は、油であげたりして食べると、おいしいんですって。勿体無くて、まだ試していませんが。

本当は四川先生がラクダに乗ったお写真を紹介したいところですが…肖像権の許可がおりずに残念です(笑)。
はるはこの写真が一番のお気に入りだったよう。
憧れの(?)ラクダに、パパが乗っているので、目を輝かせて「すごーい!」と叫んでいました。

ところで四川先生は、モンゴルで食べた火鍋にすっかりご執心のご様子。
それを求めて…はまた、後日のお話に。

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September 12, 2007

パンは麺です。

四川先生おすすめの日本式居酒屋に連れて行ってもらった。
店に入ると、ちょっと独特のにおいがする。
それもそのはずで、店の真ん中には炭火のオープンキッチンが据えられ、串にさされた秋刀魚が焼かれていた。囲炉裏端を連想させる、とても素敵なお店である。
炭火キッチンにぐるりめぐらされたカウンター席、そのまわりにテーブル席が散在し、奥には畳の小上がりもある。
日本そのものがここに引っ越してきたかのようなお店で、見渡す限りお客さんも日本の駐在員の方のよう。

私たちは、煮卵や鰈の一夜干し、オクラ納豆、鴨鍋など久々に懐かしいメニューに舌鼓をうち、はるも肉に魚に卵にごはんに…とたらふく食べて、全員が全員食欲の権化となっていた。
ちょうどその、後ろの席では、日本人男性が数人、宅を囲んで楽しげに会話しているところである。
その席に途中から中国人女性が一人加わった。日本語がとても流暢である。
もちろん話しの内容までは耳にしていないが、中国の人は総じて声が大きいため、女性の声だけは妙にこちらのテーブルまで届いてくる。
その女性が、麺がどう、と話している。
中国は長江を境に、南が米を北が麺を主食としているそうだが、この女性はあまり麺が好きではないといっているらしい。
女性の声が、時にぱちぱち響く炭のはぜる音よりも響く。
「そば、ラーメン、スパゲティ…麺はどれも好きじゃない、それから、パンも。」

えっ?!パン?!
私もびっくりした。
そこからテーブルはもめにもめて、
「パンは麺じゃない」
「いや麺だ」
と言い合いが続く。
結局中国では麺で、日本では麺じゃない、というような結果に落ち着いたようなのだが、詳しくは聞いていない。私たちのテーブルに焼き魚がきたので、食べるのに熱中してしまったのだ。気づけば後ろのテーブルはまた再び楽しげな談笑に戻っていた。

中国語でパンは、面包と書く。
ちなみにパンの原材料表記を見ると、最初に「面粉」と書かれている。
つまりは、小麦粉が「面粉」というらしい。
確かに、女性が言ったように、面である。
ほんのささいなことだけど、日中の違いが面白いひと時だった。
日本に帰ったら、誰かに得意げに話してみようと思う、「中国では、パンは麺です」。

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September 11, 2007

トンペリ事件。

イタリアンレストランで、食事をした。
輸入品を扱うデパートの一角にある店には、西洋も多く集う。
中国語と英語が入り混じり、一瞬、どこにいるのかわからなくなるほどだ。

四川先生は中国語で、私は英語で、はるははる語でそれぞれオーダーを通す我が家のテーブルだけを見ても、ちょっとインターナショナルだ。
ランチのコースは2品で1500円、3品で2000円弱。
せっかくだからと3品の方を頼むことにした。
さてそこで四川先生、アペリティフにシャンパンをご注文。
銘柄は何だ、と訪ねると、店員があっさり「ドン・ペリニヨンです」と答える。
もちろんグラス1杯での注文だが、価格は1000円ほどとのこと。
私が頼んだ、サンペレグリノという発泡性ミネラルウォーター750mlが約800円。
中国マジックか何かなのだろうかと驚いたが、先生はもちろんご満悦の様子。

先生は、ルッコラとブルスケッタの前菜、スモークチキンのタリアテッレ、ローストラムを食べる。
私は、ルッコラのサラダ、シェイプドパスタのカポナータ、鴨胸肉のカルパチオを食べる。
はるは、サラダの上に載っていた自家製ポテトチップと、パスタについてきたパルメザンチーズ(ひと壜まるまる)をおかずにして、フォカッチャを2枚半も食べた。もちろんデザートの、はちみつのアイスクリームも忘れずに。
料理は美味しかったし、日本料理・中華料理以外のものを食べるのは久しぶりだったので、嬉しかった。
はるが大人しく食事してくれた快挙も手伝って、いい気分で食事を終えたのだ。

そんな日に限って、事件は起こるものだ。

家に帰ってくるなり、先生は、お腹が痛いと言い出した。
このお腹の痛くなり方は前にもあった、○○で北京ダックを食べた時だ、というのである。
その北京ダックを食べたときを思い出してみると――その時にも、スパークリングワインを飲んでいたことに行き当たった。
スパークリングワインに否があるかどうかは定かではないが、一旦疑い出すと、ドンペリ1杯が1000円というのは、どう~にも怪しい。
翌日にちょっとハードな予定を控えている先生は、脂汗を流しながら腹痛に耐えていた。
きっと彼はもう、スパークリングワインを金輪際飲まないだろうと思う。
特に、ドンペリは。

(後日談)
事件からしばらく経ったけれど、やはりあれ以来スパークリングワインに手を出していない、先生である。
あれはきっと、ドンペリじゃなくて、「トンペリ」だったろう、と彼は思っている。

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September 10, 2007

日中妊婦検診比較。

妊婦生活も中盤に差し掛かった。
近頃は、超音波検査で赤ちゃんを見ると、ヒトらしい形をしているのがわかる。
もっとも、相変わらず妊婦本人には見えない位置にモニターがあり、医師への連絡用にプリントされた不鮮明な画像でしか、赤ちゃんを見ることはできないのだが。
そして、日本では毎回超音波画像がもらえるのと違って、ここではもらえない。
全て「検査報告書」にべったりと糊付けされて、カルテに収められるのだ。

日本と中国の妊婦検診、何が一番違うのかというと、その手順かもしれない。
特別な場合はわからないが、私が体験したような一般的な場合の違いをあげてみよう。

中国は全てにおいて「前金制」である。
例えば日本なら、診察や検査を全て終えてから、最後に会計をして帰る。
しかし中国では、診察をして必要な検査がわかったら、まず会計をする。その後、領収済ハンコの押された検査依頼書を持って検査に赴き、結果を携えて再び診察の運びとなる。

それから、自己申告が優先される。
まず初診の時に驚いたのが「妊娠したんじゃないかと思うんです」と言うと、妊娠週数と出産予定日をいきなり告げられた。ちなみに日本ではこの間に、科学的な検査(尿検査とか)が挟まれるはずである。

超音波検査は任意選択である。
高価なので、通常は希望する人のみ、ということらしい。
12週以降であれば、超音波をしない場合の胎児の状態は、先生が心音を聞かせてくれるのみ。
検査は検査技師が別室で行い、医師が見ながら診察、ということはあまりない。
また妊婦からはモニターが見えない位置にあることが多く、超音波写真はもらえない。
技師と医師の腕に頼るしかない。

それから、毎回の検診時の尿検査がないばかりか、内診もない。
私は今妊娠五ヶ月になるが、一度も内診されていない。
なぜ毎回の内診や尿検査が必要なのかも素人の私にはよくわからないので、まあいいか、と思っておく。

二度目だから様子がなんとなくわかっていて良かった。
これが一度目だったら、不安ばかりが多かったのではないかと思う。
先生との意思疎通も、カタコトの日本語/中国語(四川先生経由)なので、こみいった話もできない。
逆に、だからこそおおらかに構えていられる部分もあるのかもしれない。

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September 09, 2007

菊のお節句に。

7月半ば以来、二ヶ月弱、すっかりお休みしてしまいました。
皆様、暖かいお言葉をありがとうございました。
体調も安定期に入り落ち着いてきたものの、一人で隣のスーパーに外出したら脳貧血を起こして倒れたり、いまいち「もう大丈夫!」と言い切れない日々を過ごしています。
とかくがむしゃらに、好奇心に向かって突き進む私を、無理は禁物、とおなかの中から諌められているようでもあります。

それでも、以前のようにずっと寝ていなければならない生活からは腰を上げ、家事をこなしたり、PCに向かったりということもできるようになりました。
最近では、日本食材の買出しや外食に、週に1度か2度は外出しています。
北京の町も、ようやく1箇所だけ、ずっとあこがれていた文具街(琉璃廠といいます)に出かけられて感激。
まだまだ調子に乗って外出するわけにはいきませんが、ゆっくりゆっくりのペースで、帰国までのわずかな時間を過ごせればと思っています。

さて、今日は菊のお節句。
重陽です。
このお節句の由来となったのは、ここ中国のあるひとつの伝説です。
「菊慈童」というお話しで、古代中国・周の王とその寵童だった震旦国の王の慈童という少年の愛の物語。
あるとき慈童が、王の寝所を片付けようとして、うっかり皇帝の枕をまたいでしまいます。
中国では「天・地・人」という発想があり、天と地の間をつなぐ「人」のトップである王は神聖な存在でした。
その王の頭をのせる枕を足でまたぐのは、王の頭をけるの同罪とされ、少年は流罪に処せられます。
深山幽谷、山々に霧のかかる、水墨画の世界をご想像ください。
その色彩も朧な世界、鳥さえ鳴かぬ山奥の谷、誤って入ったら二度と出られないその場所に、彼はたった一人で住むことになります。
そこには菊が美しく咲いていました。
王は慈童を手元に残しておきたいけれども、どうすることもできない。
そこで少年にひそかに、彼の身を守ってくれる思いを託して、ある経を授けます。
少年はまた王を思い、この経を忘れまいと、自らのそばにある菊の葉に、その経を書き付けました。
すると、菊の葉から滴る露が、甘露となり、谷の川に流れ込んだといいます。
この川の水は甘く清しく、これを飲んでいた下流の人々は総じて長寿だったそう。
そして慈童は800年もの生を、少しも老衰を見せずにいつまでも少年の若々しさで、この谷でひっそりと過ごしたと言い伝えられています。

この舞台となったのは、南陽郡レキ(漢字が出ません)県甘谷、今の河南省の北西五十里ほどの場所とのこと。
今回の中国滞在では(体調のこともありますし)訪れる機会はありませんが、いつか舞台を見てみたいような、勿体無いから想像の中にずっと閉じ込めておきたいような。私の大好きな物語なのです。

物語世界に視覚的に触れられるのは、なにも実物だけではありません。
想像力の中から生み出されたすばらしいいくつもの「菊慈童」の世界があります。
お芝居などにもなっているそうですが、ここはひとつ、美術のお話しを。
東京国立博物館に、これまた私が一番好きな美人画浮世絵師・鈴木春信の「見立菊慈童」という作品が収蔵されています。私自身はまだ展示にめぐりあったことはなく、いつもミュージアムショップのポストカードでのみのご対面ですが、ご興味持たれた方はぜひ、見てみてくださいね。

復活1本目にしては長くなりましたが(笑)、最後に、菊の節句の過ごし方を。
昔はこの「菊慈童」の伝説に基づき、菊の花びらを浮かべたお酒を飲んだり、菊の朝露を含ませた真綿で身体を清めたり、枕に菊の花をつめて、長寿を祈ったそうです。
(ちなみに、日本酒に「菊」の名がついたものが多いのは、長寿をもたらす甘谷の甘露の水に関連しているそう)

中国では旧暦で行事が行われるので、重陽の節句はまだ先ですが、菊慈童にちなんだなにかを見つけられたら、と思っています。

それでは今後も、HARUBOOK、ゆるゆるお付き合いくださいませ。

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