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May 01, 2007

2000年前のガラス。

070429_141701ある展覧会で、一目ぼれをしてしまった。
特設ミュージアムグッズ販売の片隅に、ひっそりと美しいガラスがいくつかあった。
はかない水色のガラス、お話しを聞いてみると、なんと紀元1世紀の頃のガラスなのだという。
「ローマングラスというんです」
その名の通り、古代ローマ時代に作られたガラスである。
当時は重要な交易品で、シルクロードを経てアジアにももたらされた。

そんな、地中に埋まっていた古代のガラスを掘り起こして、アクセサリに仕立てたのだというのだから。
話を聞いたら、動けなくなってしまった。
2000年前のひとの手でつくられたガラス、2000年の時を経てきたガラス。
手にとってみると、その凹凸のある表面が、ことさら美しく感じられた。
こんな、ロマンのあるアクセサリーに、私はかつて出会ったことがない。

ガラスは、数百年地中に埋まっていると、銀化現象というのを起こして、七宝のような虹色に輝くのだという。
メインはそんな銀化したアクセサリーなのだが、私は、シンプルではかないこの色に惹かれてしまった。
(少し調べてみたら、日本人はことのほか銀化したものを好むので、ローマングラスの世界ではこれを「ジャパニーズテイスト」と呼び、ドイツ人は逆に銀化を削り落として古代ガラスの風合いを楽しむので「ジャーマンテイスト」というのだそうだ)

日本にシルクロードを通ってやってきたものは、ローマングラスのひとつあとの時代、ササン・ガラスなのだそう。
(同時代となると邪馬台国の時代なので、あったとしても残っていないのかもしれない)
また同じアジアでは、『三国志』(小説ではなく、『魏志』『呉書』『蜀書のこと)には、ローマングラスの10色についての記述もあるという。

古風に呼べば、「縹色の玻璃」。
2000年の時間そのものを身に着けるようで、清廉な気持ちになる。
(日本では器物は100年たつと妖怪(付喪神)化するのだから、これは大妖怪かもしれません。
雰囲気からして、きっと、いい方の。)

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Comments

すてきだね~。ただの白い肌触りのよいシャツに、このペンダントだけさらりとしたら、それだけで涼しげ。そして2000年の秘密を、知っているのよ、とちょっといい気分になれそう(笑)。

Posted by: ゆず | May 03, 2007 at 05:55 PM

>2000年の秘密を、知っているのよ、とちょっといい気分になれそう(笑)。

たしかに~(笑)
時間を身に着けるのって、すごい贅沢なことだよね。

実際幾度か活用しているのだけど、盲点がひとつありました。
下についている、(私にとっては「蛇足」の)淡水バロックパールが、肌にささっていたいのです(笑)。

Posted by: zok | May 04, 2007 at 02:03 PM

磨きに磨いても…だめかしらん?

Posted by: ゆず | May 04, 2007 at 10:17 PM

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