« おでかけしまして。 | Main | パンのおもさ »

April 15, 2007

読書の効用

先日、仙台で勤めていたときの先輩が、お友達とご一緒に鎌倉に遊びに来てくださった。
人手も多い中、「うらみちコース」をうねうねと歩いて、私のお気に入りのお店をいくつかご紹介させていただいた。

お天気がとてもよい週末。
寿福寺では背の高い木からこぼれ落ちてくる緑陰に、どこからか鶯の声がかさなっていた。
本日15日まで「鎌倉まつり」に華やぐ鎌倉、普段は公開されていない歴史的建造物も公開してあったり、八幡宮では流鏑馬の通路で神馬の通り道が作られている最中だったり。
実は春と秋のこの時期は人手が多いので出歩いたことがなく、ばったり川喜多邸の公開にさしかかって、うれしい驚きを得たりもした(なにか見覚えがあるような気がしたら、川喜多邸は小津作品の舞台になったこともあったらしい)。

先輩は野菜のソムリエさんなので、鎌倉野菜を味わっていただこうと、築80年の民家をリノベートし、地元産の食材にこだわったレストラン0467にご案内した。
0467という名前は、鎌倉の市外局番。
こだわりが見られて、とても素敵だ。

ちいさな、鎌倉らしい小道を歩いての半日。
その終わりには小町通へ出てショッピングを楽しみ。
最後の〆にカフェに入ろうとして、ご案内した、ミルクホール。
ここがひとつの重要な舞台となった少女小説の名を上げると、おふたりとも「それ、読んだ!!」と仰る。

そこからはもう、小説談義である。
なんだか胸がわくわくして、少女の頃に戻ったような気さえした。
私は学生の頃、この小説の舞台になったいくつかの場所を訪れた経験があったのだが、なんと先輩も、鎌倉・稲村ガ崎・葉山を歩いていて、稲村ガ崎では同じお菓子(物語に登場するお菓子)を買っていたことも判明。
在職中はそんな話をしたことがなく、仕事や会社でのいろいろな相談に乗っていただいてばかりだった。
昔から自分のスタイルがある素敵な先輩だったのだが、意外と同じようなものを見ていたことに驚き、また嬉しくなった。

その小説の終わり方がどうなったのか誰も思い出せず、物語の紆余曲折もうろ覚えで、なんだか気になって仕方がない、ということになった。
また読んでみなくちゃ、というのが、全員の結論。

今私が親しくさせていただいている方は、それまでの人生で読んだ本がいくつか同じだったりする。
同じ本を通り過ぎてきたというだけで、親近感が急速に醸成されるものだ。
人生の中で出会う本の存在の大きさを、改めて感じた。
少女~乙女の頃、読める本だってそんなに多くないと思うが、それでも大切ななにかを心に積もらせていって、大人になるのだと思う。
そして大人になったとき。
ふとそんな日の思い出に触れて、懐かしくなったり、その頃に思い描いていた将来の姿と今を考えてみたり、今の自分を改めて肯定できたり。

きらきらした思い出を抱えて、素敵ないちにちの終わりになった。
これから先いくつの本に出会うのかわからない。
でもその時々に、少女の頃に心酔したような、お気に入りに会うことができたら。
いくつ年を重ねても、その思い出を振り返るとき、こころは潤いと輝きを取り戻すのかもしれない。

ご案内した「うらみちコース」

鎌倉駅西口→
Romi-uni cofiture→
寿福寺→
旧川喜多邸(ばったり遭遇)→
神奈川県立近代美術館鎌倉館→
大仏茶廊→
ひみつの和菓子屋さん→
宝戒寺→
0467(ランチ)→
鎌倉彫安斎・吾妻屋→
(小町通へ)
ソーセージのお店→
器や創加満久良→
京漬物近為→
鎌倉山納豆→
ミルクホール→
鎌倉駅東口

|

« おでかけしまして。 | Main | パンのおもさ »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« おでかけしまして。 | Main | パンのおもさ »