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February 01, 2007

焼きたての幸福。

070127_11500001ふと思い立って、パンを焼く。
2~3ヶ月に一度波がやってくる、「パンでも焼こうか」中毒だ。
パンを焼き始めるときは、大抵なにか煮詰ったものがあるときで、不思議とパンをこねている間に、自分が整理されてくるような気がする。発酵の時間などで、こまめに自分の時間が区切られているのも、いいのかもしれない。
手がけていたものを、ちょっとひととき休んで、10分くらいパン種をこねて、また1時間くらい机に戻って…としていると、なんだかいい具合に息抜き・ガス抜きになるようなのだった。

発酵が終わった直後の、イーストの香りが好きだ。
惑うような、甘くてなにか誘惑めいた香り(アルコールのようなにおいだからだろうか?)。
思い切り吸い込むと、眩暈さえする。
眩暈の向こう側にはふわふわのパンのやさしい甘さを思わせる香りも、ふうわりと漂う。

だいたいが、こね始めにはもっちりしているパン種が、あんなにやんわりとすること自体、面白い。
やわやわしたパン種をむにむにと引き伸ばすのも、楽しい。
ふうわりこちらを見つめているパン種に狙いを定めて一発パンチを食らわせるのも、罪悪感を伴いつつも、愉快だ。

我が家で今凝っているのは、絵本「こぐまちゃん」シリーズの中にある、『しろくまちゃん、パン買いに』をイメージして作られたレシピの、フランスパン。
おうちパンならではの、中がふうわり、表面パリパリの、ころんとした楕円形のパン。
焼きあがると、はるがいつの間にかすぐそばにいて、オーブンから取り出されたパンに拍手を送ってくれるのもうれしい。

はるは、ぱりぱりする表面をひとしきり食べてから、中のやわやわするところを食べはじめる。
薄焼きせんべいのような小気味いい音をわざと立てて、喜んで食べる。
やわいところは、御家来衆にも食べさせている。
「あむあむあむあむ」と言いながら食べさせて「あっおいし!」といってから、自分の口に運ぶ。

パンづくりを取り巻く一連の時間は、幸福なひととき。

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