« しみじみ。 | Main | おにぎり、おむすび。 »

February 11, 2007

かわいい女房。

雨が遠慮がちにぽつぽつ降ってきた
バスから降りた私は、ぱんぱんに膨らんだ鞄と旦那さんに頼まれたアーモンドチョコレート、友達の誕生日プレゼントなどを抱えて少し途方にくれた。
傘を持ってきながら、一緒に買い物をしてくれないものだろうかと淡い期待を胸に旦那さんの携帯を呼び出すと、彼は三連休に自分が買いに行くから、帰っておいでという。
「でも、トイレットペーパーが最後のいっこだよね。」
「うん。」
「ティッシュも確か、最後のひとはこだよね。」
「うん。」
「お米も、もうないんだ。」
「そう。」
「それで、雨も、降ってきた。」
「じゃあ、気晴らしに、本屋さんに行って気に入った本でも買ってきたらいい。」
「雨の中で本を?」
ずぶ濡れで本をめくる自分を想像して笑い出してしまった。
旦那さんはさらに続ける。
「傘でも買ってさ。ゆっくりしてきたらいいよ。」
確かにありがたい話ではあった。しかし、いま一度聞いてみる。
「でも、ごはん、食べたいよね?」
彼は力強く、うん、といった。
「…わかった。なんとかする。」

かわいい女というのは、こういうとき、すなおに男の言うことに甘えるのだろうが、
そこに「房」の字がついて、
女房になると、
多少無理をしてもなんとか完遂する方が、よい評価を受けるというのは、私の偏見だろうか。

なんとかする、とは言ったものの、
それは結局は手が抜け落ちそうなのを無理して持って帰る以外にないのである。
(まさか徒歩5分の距離にタクシーでもあるまい。)
そして、なにせ小ぶりとはいえ雨なのだから、途中で荷物を降ろして一休み、ということもできない。
なかなか過酷な試練なのである。

それでもなんとか家にたどり着いた。
私は自分の中に、女の執念というやつを見た。少し誇らしかった。

「ただいま。」
家に入ると、はるがまず、サンタクロースよりも大荷物の私を見て、逃げていった。
トイレットペーパーとティッシュボックス(5個組)を入れた大きなビニール袋だけでも、はるの身長をゆうに越していたからかもしれない。
「おかえり。」と、書斎から出てきた旦那さんは、その荷物を見て、「こんなに持ってきたの?よく持てたね。信じられない。」
信じられない、である。小ぶりの中、傘をさす余裕もなく(ささないでも済む程度だったのだけど)重い荷物を持って帰ってきた女房には、褒め言葉には聞こえない。
まして、「かわいい」女房には、ほど遠い。

そんなに無理をして米まで買わなければいけなかった理由は、明日に続く。乞うご期待。

|

« しみじみ。 | Main | おにぎり、おむすび。 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/83670/13865144

Listed below are links to weblogs that reference かわいい女房。:

« しみじみ。 | Main | おにぎり、おむすび。 »