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February 18, 2007

ちょっと寂しい話。

近所にある個人商店が、1月いっぱいで閉店した。
お肉屋さんと、酒屋さん。

お肉屋さんは、お芋とひき肉の入ったコロッケや、キャベツとお肉のぎっしり詰まったメンチカツ、自家製焼き豚がとてもおいしかった。お肉屋さんで買ってきたお肉は、歯ごたえが一味違っていて、我が家では時々ここのお肉をいただいていた。お肉屋さんのお肉は、「あ、今日はお肉屋さんに行ったんだね」と旦那さんが必ず気づく。
味というのは、純粋な味覚だけじゃなくて、触感にも関係があるんだと思っていた。

酒屋さんは、天然酵母のパンや、鎌倉ブレンドのコーヒーを、それぞれ他のお店から取り寄せておいてくれていた。私達が引っ越してきた頃から、あまりお客さんは見かけなかったけれど、同じ団地の人たちの中には、お昼にここで天然酵母パンを買ってくるのが楽しみな子ども達もいた。

なんだか、残念だ。

徒歩5分にある大型スーパーは、確かにものが豊富にあるし、買い物をするのも1箇所で済むから便利ではある。でも、そこにはない、なんというか「暮らしの空気」みたいなものが、個人商店にはあるような気がするのだ。
そう言いながらも、私自身利便性の方に引き寄せられているのだから、お店を畳んでしまった個人商店に対しては何も言えない。ひとこと言うとしたら「お疲れ様でした」という、なんだか無味乾燥なものになってしまうのかもしれない。
コロッケも、メンチカツも、天然酵母のパンも、確かにスーパーにも置いてはいる。
でも、やっぱり、なにか違うのだ。

便利なものというのは、心の奥にあるものを、なんだか失わせているような気がしてならない。
不便になれというのではないけれど、どうも、寂しい気持ちが募る。
「商店街」という、昔ながらの良さが、失われつつあるのが寂しい。
自分の暮らしのまわりを思うと、私が子どもの頃は、まだ少し「商店街」が元気だった。
それが大型店の進出とともにどんどん廃れ始め、今はわずかに数店舗があるに過ぎない。
上京して初めて住んだ中板橋(弟の部屋にひと月居候させてもらった)や、駒込の、活気ある商店街にひどく感激したことを覚えている。
「ああ、ここには、昔がまだある」と、変なことを思ったりもしたのだ。

ねじめ正一さんのご著書に『高円寺純情商店街』があるが、あの雰囲気が私はなんだか好きだ。
それと似た気配を感じて、いま、向田邦子さんの『寺内貫太郎一家』をじわじわ読んでいる。
小林亜星さん主演のドラマで、ご存知の方も多いと思う(だが、調べてみたら、なんと’74年の放映だった。私はまだ生まれていない)。ドラマの方は私も見たことがないのだけど、機会があったらぜひ見てみたいと思っている(『奥さまは魔女』の次のマイブームは、これかもしれない)。
いずれも、今はそんなに見られなくなった風景かもしれない。

幸い、鎌倉の真ん中では、まだ商店街が元気だ。
そこに住まう人々の暮らしも、観光の人も、全部ひっくるめて「ふつうに」暮らしている商店街は、懐が深い。
人が集い、暮らしが生まれ、商いが始まり、暮らしが潤い…等々順序もあろうが、場所柄にも、お店の商品にもよるのかもしれないが、個人商店、なんとかがんばってほしいと、つくづく思う。

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