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January 09, 2007

柿の種の本領。

幼少の頃から愛してやまない菓子のひとつに、柿の種がある。
柿の種と一口に言ってもそれは固有名詞ではなく、ある種の菓子を指す普通名詞なのであって、味はもちろん大きさなどもマチマチである。
ごく一般に普及している亀田製菓製の小袋入りのを特にうちでは「柿の種」と呼び習わしているのであって、大振りなものや辛味がとても強いものなどは、一口食べたきりで亀田製菓のを買いに出かけることがほとんである。

さてこの柿の種業界も数年前からオーソドックスな柿の種一辺倒という商売をやめたようで、いろいろな味をつけたものが出てくるようになった。ポテトチップスに比べるとそのバリエーションはずいぶん少ないが、それでも、柿の種愛好者にとっては「おっ」と一声うならせるだけの力は持っている。

その中で、我が家で一番好まれているのは、従来の何の変哲もない柿の種なのだが、二番手にのしあがってくるのが、「わさび味」だ。他に七味唐辛子をまぶしたものや、梅味などというのも、さまざまなメーカーから販売されているのだが、やはりわさび味についても、亀田製菓のが一番であると思っている。
(余談になるが、最近見かけなくなった亀田製菓の「オランダせんべい」もとても素晴らしいせんべいであった。あれは今でも販売されているのだろうか?)

ところで、柿の種とビール、といえば黄金の取り合わせであるが、ビールとわさび味の種も、なかなか乙なものである。特に我が家では酒量がめきめき増える夏場にこれが愛用され、その後は日本酒恋しい真冬――つまり今頃――にまた再燃する。夏も冬も、まさに極まれり、という時にこそ恋しくなる菓子なのである。
そういうわけで我が家の菓子箱に、ここのところしばらく常連になっているわさびの種なのだが、ふと気づいたことがある。私の味覚のことだ。
あのツンと鼻に抜ける辛味がなんともたまらず美味であったわさびの種が、最近、食べ辛くなってきた。
刺激が強すぎるのである。
理由はいまいちわからないのだが、旦那さんが喜んでがばがば口の中に放り込むのを横目で見ながら、ちびちびと一本ずつしか食べられない。ツンと鼻にきて、涙ぐむことも多い。
考えつらねてみると、どうやら酒の量に関係しているらしかった。
ビールをたっぷり流し込んでほろ酔い加減のところにあの辛味がピリリとくると、たまらない。が、しかし、近頃めっきり酒に弱くなった私の舌には、いまいち刺激が強すぎるというわけらしいのだ。

こういう経緯を経て、我が家の菓子箱にはいつものオーソドックス柿の種が幅を利かすようになる。
はるも、この普通の柿の種なら食べられる。
私が小さい頃食べていてもよく親たちから「辛くないの?」と聞かれたが、「ぜんぜん」と得意げに答えてむさぼり食べるのが、自慢のひとつだったように思える。
柿の種が辛くて食べられないといった人には、ついぞ出会ったことがない。

思えば柿の種の本領とは、「辛いけれども食べられる」と自慢できる、そんなささやかな自負心を与えてくれるものなのかもしれない。柿の種よ、永遠に。

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