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December 21, 2006

すごい日があるもので。

以前通りすがりにちょっと気になった喫茶店があった。
喫茶店というよりも、甘味処のような風情。
仙台から和好きの友人が来てくれたので、一緒に入ってみた。

カウンターだけのこぢんまりしたお店の中では、和服に割烹着すがたの優しいご婦人が、炉にかけた釜から、柄杓で湯をすくっている。
おいしい抹茶がいただけそうだ、と思った。
ところが、それだけではない、すごい出会いが待ち受けていたのである。

お友達のおかあさんのように、親しくて優しくていろいろ気を配ってくださるこの方、はるにシールをくださったりしていたら、突然。私に向き直って「お菓子作るの興味ある?」とおっしゃる。
はい、好きです。と答えたら、
「じゃあこれ、あげるわ。」
と和菓子の作り方の本を一冊くださった!!
ちゃんと本屋さんで売られている本なのであるが、これがまた写真入で丁寧に作り方が書いてあって、和菓子って難しそうな印象があったのだけど、これならちょっとがんばれそう?と思えるようなもの。
鎌倉にある、茶人が愛する上生菓子舗の方の本だという。
そこの社長さんがよく来られて、好きな人がいたらあげてと仰るのだそうだ。

感嘆の声をあげていたら、とうの本人登場。
その方は洒落がとってもお上手で、わたしたちは始終笑い転げていた。
続いて素敵なマダムがいらしたのだけれど、この方は洋菓子の大家で、シフォンケーキの本を書かれている方だそう!
いったいどうして、こんなすごいところに来てしまったのだろう。
それでもすごい人というのは、やはりとても素敵な人たちで、気さくにおしゃべりしてくださる。
こういう雰囲気は、居酒屋やバーで何度か味わったことがあるけれども、真昼間の喫茶で、は初体験。
加えて、本を書いていらっしゃるような文化人の方々と一緒になんて、初体験。

なんとも、文化的で、すごい一日だった。
手作りの小豆の羊羹がとてもおいしく、お抹茶がまたとってもとってもおいしくて、なんとはるがこのお抹茶を気に入って飲んでいた。和菓子屋さんの、12月の季節のお菓子というのもおまけでいただいた。これがなんともまあ、素晴らしく美味しい!いただいた本を見ると、そのお菓子も掲載されている。
とてもこうはいかないけど、凝り性なので、早速作ります!と申し上げると、冗談のお上手な社長さん「ぜひうちに卸してください」なんておっしゃって、また一笑。

いただいたご本には、和菓子屋さんの案内の他、『喫茶養生記』などもはさみこまれていた。
きっとご好意なのだろう。
鎌倉時代に書かれたこの古典がまた面白くて、「茶を良く飲むことは心の臓を強くして、心の臓が強ければ病気はしない」とあったり、「宋(中国)では茶を良く飲むと羽が生えるという」とあったり(ちなみにこれは体が軽くなって飛び回るほど元気になるとの意なのだそう)、まあ、面白いこと面白いこと。
家に帰ってからもたっぷりとっぷり、楽しませていただいた。

美味しいお抹茶はもちろんのこと、雰囲気に惹かれて、ふと足が向いてしまう。
あの「雰囲気」を味わいに行きたい、と思えるお店に久しぶりに出会った。
幸いはるも気に入ったことだし、今度からふたりで鎌倉に寄るときは、お邪魔させていただこうと思う。
蛇足ながら、このお店に寄った日のうちに私がスーパーで小豆と寒天その他を求めて帰ってきたことは言うべくもない。

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