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March 18, 2006

ミュージカル映画。

私が今までの人生に見た映画の中で、最高に好き、といえるものは気づけばミュージカル映画が多い。

例えば私が今、亡命するとする。(少しだけ国を追われるスパイの気分になってみてください)
その時、たった一つのトランクに詰め込む自分の宝物の中に、必ず含まれる映画。

私にはそれは、
『雨に唄えば』であり、『パリの恋人』である。
二つとも、作品そのものはもちろんのこと、思い出とともに大好きな映画なのだ。

ジーン・ケリーのタップダンス、初めて見たのは小学校のときだったと思う。『雨に唄えば』のジーン・ケリー、ヒロインのデビー・レイノルズらに憧れて、母に本気でせがんだものだった。
が、しかし悲しいかな、今ならまだしも当時、東北の片田舎には、タップダンスを教える教室など存在しなかったのである。ただ「やってみたい」ということだけで東京に通わせる体力も財力も気力も、わが家の誰も持ち合わせていなかった。(世の中にはそういう人も存在しているからスゴイと思う…)

『パリの恋人』は中学校に入ってから。
仲の良い友人の家でみた。ファッションやカルチャーに明るかった彼女は、当時オードリー・ヘプバーンの崇拝者で、その影響で何本ものオードリー映画を一緒に見た。平日は学校で、放課後は委員会で、土曜は塾でいつも顔を合わせているのに、日曜には彼女の家や私の家で一緒に映画や漫画を見ていたのだから、よくもまあ話題が尽きなかったことと思う。
が、その年ごろの女の子というものは、そういう生き物なのかもしれない。

話がわき道にそれてしまった。
この映画が特別なのは、他にも理由がある。
当時ドラマの主題歌に採用されて、日本の音楽界に燦然と「ギター・ポップ」のジャンルを切り開いた伝説の(?)フリッパーズ・ギターのプロモビデオに、『パリの恋人』の1シーンに良く似たシーンがあったから。

それぞれ、好きな1シーンをあげよう。
『雨に唄えば』では、窮地に陥った主人公達が3人、夜更けに策を練っていて、唄い、踊りだすシーンがある。
♪Good Morning~ で始まる音楽はなんともハッピーで、今まさに悩んでいるのに、大変な場面なのに、こんなに明るく前向きに唄って楽しそうに踊っている、ということがカルチャーショックでもあった。
「おやすみを言うのにはもう遅すぎるから、おはよう」
そんな考え方って、いいなと思う。

『パリの恋人』では、主人公がパリで、デザイナーと一緒にファッションショーの準備をするときのかわいらしい曲。
年齢に左右されない、女性のかわいらしさ、を感じさせる曲とダンスだ。

古いミュージカル映画は、どうしてこうも素敵なのだろう!
先日ジーン・ケリーが『雨に唄えば』の3年前にとった『踊る大紐育(ニューヨーク)』という映画を見た。
これも痛快!
男性の論理で描かれているストーリーは全ての女性に受け入れられるものではないけれど、3人のヒロイン達が個性的で格好良い。
メインヒロインがスター志望の普通の女の子であるほかは、学者とタクシーの運転手!
いわゆる「職業婦人」で、それぞれ男性を手玉にとっているのが面白い。
女性の方が何倍も上手だよ、というメッセージが込められているように思える。

全て、とはいかないかもしれないけれど、ミュージカル映画の多くは私達に幸せな気分を味わわせてくれる。
こんな素晴らしい作品、新しい時代にももっと生まれてくれないかと願うばかりです。


さて…
冒頭で少しだけ「亡命するスパイ」の気分になっていただきました。
亡命するスパイではなくて、無人島でのバカンスでもいいです。
限られた荷物を詰め込むところを想像してください。

そしてもし良かったら、あなたが持っていきたい映画を、教えてくださいね。

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