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January 13, 2006

着物始心得帖。

着物を着始めたきっかけを、最近良く聞かれる。
思い立って着物の話を書き始めたのは「夏の着物」という記事で、8月の19日のことである。夏の帰省の折に義母が浴衣を用意してくれていたことから始まった着物への関心だが、その当時は毎日着物で過ごすようになるとは思いもよらなかった。
袷の季節になって、母たちから昔の着物をもらって…その日の気分でとっかえひっかえ着ているうちに、なんとなくそれが毎日になってしまった。
最初は家の中で、ちょっと慣れたら近所の買い物に、次に図書館まで足を伸ばして。そうやって「着物生活」に慣れていった。

最近では洋服を着るほうが緊張して落ち着かないのだが、それまで約30年間積み重ねてきた洋服文化から、こんなにもすんなりと和服の文化に移行して、そちらがスタンダードになってしまうのは、やはり着物が日本の気候や生活に合った衣装であるからに他ならないように思う。
人に着付けてもらうなら別だが、自分で着る分にはちっとも窮屈じゃなく、着慣れるにつれてそのへんの力加減が分かってくる。身体のラインがきっちりと出る洋服と違って、着物はゆとりを持って身体に沿うばかりでなく、いつしか心にも沿ってくる。そんな風に思うのだ。(その分体形に若干ルーズになるという弊害もあるのだが)

この冬、私は大事な友人の一人を着物の世界に引きずりこんだ。
初めての着物を自分のものにするときの彼女の戸惑いが、手に取るように分かった。
「着られるのかしら?」から、「どこに着ていこう?」「もし変な風に着てしまっていたら?」など、たくさんの疑問符が錯綜していたに違いない。

彼女に私なりの着物の心得を話すならば、「自分らしく着慣れる」ことである。
着物の世界は奥深い。
いろんなルールもある。
でもそれにいちいち惑わされずに自分なりに着てよいと、最近の着物の本には書かれている。
絶対に守らなければいけないことといえば、右前になっている(右側の見ごろが自分の身体寄り、左側がその上に重ねられる形)ことだけ、とさえ言い切る本もある。

彼女がこの楽しい着物の世界に、早く馴染んでくれることを願ってやまない。
着物の話をすると、今までそんな話をお互いしたことがなかったのに、興味を持っている人、あるいはそこに既に足を踏み入れている人が結構な確率で現れるのにも驚く。

抜群のセンスを持った友人との念願の「お着物デート」も先日ついに果たした。彼女はお母様のお見立ての、格子のウールのお着物と紫と芥子の絶妙にブレンドされた紅葉などの羽織姿で現れた。素敵な出で立ちの彼女を前に、ああ、まだまだ私は着物の世界の入り口に立ったばかりに過ぎないと思いつつ、惚れ惚れとその姿に見入った。
今年は更に、この楽しみをともに分かち合う友人たちが増えぬものかと、目を光らせているところである。

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