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November 02, 2005

大正浪漫人。

大正末期~昭和初期は、海外ではアールヌーヴォー、アールデコの華やかなりし頃。
その影響もあるのでしょうか、日本でも美しいデザインがたくさん生まれました。
いわゆる「大正浪漫」のイメージの、あの優雅で美しいスタイルです。

もともとの嗜好に加えて前述の研究の結果、この時代にすっかりはまってしまった私。
気づけばそれは、10年前にフランス文化にのめり込んでいった時に追っていたのと同じ時代。

どうも私にとって、1920年前後というのは、特別な時代のようです。
今日は、その大正浪漫の中で絶大な人気を誇った竹久夢二について、ちょっとだけご紹介します。

竹久夢二。
このひとの名は、美術に興味のない人でもきっと知っているだろう。
大正~昭和に活躍した画家である。画壇に所属せず、在野で活躍した夢二は、「大正浪漫」と呼ばれる時代の女性像を作り上げた重要な人物である。

夢二は女性が日常の中に、自分の気に入った美しいものを取り入れることを提案してきた。
大正3年、日本橋に「港屋絵草紙店」を開店し、夢二デザインによる葉書、封筒や半襟、浴衣までを扱った。「港屋は、いきな木版絵や、かわいい石版画やカードや、絵本や、詩集や、その他日本の娘さんたちに向きそうな絵日傘や、人形や、千代紙や半襟などを商う店でございます」と、開店の案内状には書かれている。もちろん、当時の女性達の憧れの的になった。
ただしこの店、長くは続かなかった。
忙しすぎる夢二の商品補充が間に合わなかったのである。かくして店は、2年で幕を下ろすこととなったという。
ちなみにこの港屋、日本橋浜町にいまでもあるそうなので、その後復興したのか、もしくは他の誰かが夢二に肩代わりして始めたのか?
かつて店のあった八重洲北口呉服橋交差点には記念碑があり、美術家自身がその作品を商品化し販売する店を経営した点での商業美術史上の功績を称えてあるという。

驚くべきことは、この画家は、没後70年以上経った今でも、「新しい」ということだ。
いくつもの呉服商が、「夢二デザイン」の着物や浴衣を毎年発表することからも明らかなように、夢二のデザインは廃れない。どこかノスタルジックな雰囲気が、いつの時代にもフィットするのであろうか。
没後ますます高い評価を得ているこの画家は、「夢二の前に夢二なく、夢二のあとに夢二なし」とまで言われている。
夢二は、「大正浪漫の女性像」のみならず、「日本の女ごころ」のひとつを作り上げたひと、と言っても過言ではないのかもしれない。

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