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September 21, 2005

単衣のころ。

050905_14200001四季の中で単衣の季節、というのは短い。
着物には、袷(あわせ)と単衣(ひとえ)がある。
袷は10月から5月、単衣は6月から9月。
でも7、8月には薄物といって絽とか紗の着物を着る慣わしなので、必然的に、単衣は6月と9月に着るものになる。その単衣の着物ばかり、夏の終わりに2つも手に入れてしまった。一つは紗紬なので盛夏にも着られる便利物。が、もうひとつは、厳密なふた月のみのもの。それが、この黄色い花の、正絹の単衣だ。

買うつもりなんて全然なかったのに、
という言い訳が、私が着物を買うときの毎回の口癖になってしまった。
買うつもりなんて全然なかったのに、
もうほれ込んでほれ込んでどうしようもなくなってしまうのである。

水彩画のような伸びやかな花と草と蔓。
大柄で黄色と緑が白地にある、結構目立つ着物なのに、鏡に当ててみるとしっくり馴染むようで、手放せなかった。
着ていくあてなんて、もちろんない。
家や近所まで普段着に着る着物。
リサイクル着物屋さんの店先にあったそれは、値段もその用途には適している。
それが更に半額になるというバーゲン。これを見逃す手があろうか。

というわけでこっそりと、家に持ち帰った。
旦那さんに見つかったら、また着物!と怒られてしまうだろう。彼は知らないが、それも一年の6分の1の季節しか着られないものだとわかったら、なおさら火に油を注いでしまうだろう。
そう思って2、3日ほど閉まっておくのだが、
うずうず着てみたくなって、
いざ着てみると見せびらかしたくなって、
とはいえちゃんと帯も締められないし、着物のプロ(のように見える)ばかりがいる鎌倉に着ていく勇気はない。
そこで結局旦那さんが帰ってくるのを待って、
呆れられるというわけだ。

単衣の着物が着られるのも残すところあと10日。
暑い日も寒い日もあるけれど、少し涼しい日、寒い日には着物を着ている。
はるが寝た後にこっそり着て、起きたら洋服に着替えることもある。

自分で心地よいと思う服を身に着けることは、
色彩心理学上も、風水上も、とても良い効果があるのだ。
…なんて、やっぱり都合のいい言い訳かもしれないけれど。

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